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巨人の命運は坂本勇人にかかっている? 「抜けたらまったく違うチーム」の指摘が

 

唯一無二のキャプテンシー


昨年はケガもあり、満足のいく成績を残せなかった坂本


 厚い戦力層を誇る巨人だが、替えの利かないポジションがある。坂本勇人が守る遊撃だ。昨年は3度戦線離脱して、83試合出場で打率.286、5本塁打、33打点。坂本不在の時期は中山礼都が攻守で奮闘したが、チーム状態は上向かず失速していく。優勝どころかCS圏外の4位で5年ぶりのBクラスに低迷。坂本本人が誰よりも責任を感じていただろう。

 スポーツ紙デスクは、「坂本がいるのといないのでは、他球団にかかる圧力が違う。まったく違うチームと言っても言い過ぎではないでしょう。もちろん長期的に見れば、中山やキャンプで一軍スタートとなったドラフト4位・門脇誠(創価大)が遊撃の後釜として出てきてもらわなければ困る。ただ、今年に限った話で言えば、坂本が試合に出続けられるか、活躍できるかが巨人の命運を握っていると思います」と分析する。

 高卒2年目の2008年から15年にわたって遊撃を守り続けている。名遊撃手と言われた選手でも、これほど長い期間守った選手は少ない。心技体すべてが整わなければ、活躍できない世界だ。遊撃の守備でゴールデン・グラブ賞を5度受賞。全盛期に比べて守備範囲は狭くなったが、捕球技術、送球の精度は球界トップクラスだ。打撃も進化し続けている。16年にセ・リーグの遊撃手で史上初の首位打者を獲得。19年に生え抜きの右打者で最多の40本塁打をマークし、20年に右打者で最年少となる31歳10カ月で通算2000安打をクリアした。坂本の存在感は数字だけに表れない。チームを鼓舞し、時には若手に厳しい声掛けで奮起を促す。そのキャプテンシーは唯一無二だった。

遊撃守備に対するこだわり


 ケガは不可抗力の部分があるだけに責められないが、戦線離脱はチームにとってダメージになる。21年は5月に右手指骨折で1カ月間戦線離脱。規定打席には到達したが、117試合出場で打率.271、19本塁打、46打点と満足できない数字だった。

 坂本は昨年の開幕前に週刊ベースボールのインタビューで、「骨折があって1カ月ちょっとチームを離れてしまった時期がありましたからね。状態がすごく上がってきたな、と感じることができるようになったタイミングでの骨折でしたから。復帰してからは後半戦になかなか調子が上がらず、ずっと試行錯誤しながら。思うようにはいかなかったですね」と振り返った上で、遊撃の守備に対するこだわりを口にしている。

「やっぱりそこのポジションを守れる状態をつくっていきたいですね。一番しっかりと距離を投げなければいけないし、足も動かさなければいけない、一番動くポジションだと思っていますから。そこをしっかり守るということを前提にしないと、いろいろな部分で落ちていってしまうような気がするんですよね。ショートを守るために、いろいろなトレーニングだったりということを頑張ることができるという感じはあります」

侍ジャパンは辞退


 故障さえなければ、きっちり結果は残すだろう。チームに対する思い、3年ぶりの覇権奪回への思いで、ある決断を下した。侍ジャパンの出場を打診されたが、辞退。WBCに2度出場し、21年の東京五輪では中心選手として金メダル獲得に大きく貢献した。日の丸の重み、国を背負って戦うプライドは誰よりも強い選手だが、出場辞退はコンディションを整えるために決断しなければいけなかった。

 15年から8年間にわたって務めていた主将を、今季から岡本和真に託した。プロ18年目の今季は野球人生をかけた大事なシーズンになる。

写真=BBM
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