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猛勉強の末、難関入試を突破して慶大へ 新1年生・今津慶介のあこがれは先輩・廣瀬隆太

 

良い環境で過ごせて


旭川東高・今津は難関の慶大のAO入試を突破。2月1日から野球部の練習に合流した


 好きなアスリートを聞いた。

 旭川東高からAO入試で慶大に合格した今津慶介(1年)は「コービー・ブライアント、メッシです」と、元NBAと、サッカー界のスーパーレジェンドを挙げてきた。

「格好いいですよね。メッシ選手のアルゼンチン代表のユニフォームを持っています。左胸にある星は2つ。昨年のワールドカップでは3度目の優勝。特別感がありますよね」

 本職である、あこがれの野球選手を質問すると、間髪入れずに「廣瀬隆太さん」と言った。廣瀬は2023年の慶大主将。東京六大学で通算13本塁打をマークしている右のスラッガーで、昨年は侍ジャパン大学代表に名を連ねた大学トッププレーヤーだ。

「2月1日に合流したばかりなんですが、先日、合宿所近くのスーパーの前でたまたま会った際にも、気さくに声をかけてくれました。練習においても廣瀬さんだけでなく、一人ひとりの人間性が高い。良い環境で過ごすことができ、ありがたいです」

 右投げ左打ちの遊撃手は、50メートル走6秒1の俊足が武器。高校時代から神宮、東京六大学でのプレーを夢見ていた。一番打者、主将として臨んだ3年夏は北北海道大会決勝で敗退。あと一歩で甲子園を逃した。この時点では慶大以外の東京六大学の各校を志望していたが、8月に旭川市内でキャンプを張っていた慶大の練習に参加。雰囲気に惹かれ、慶大への入試に方針転換した。一次の書類選考、二次の面接と猛勉強の末に難関入試を突破した。

「ベンチ入り、スタメン、主力選手としてチームに貢献し、日本一を目指したい」

“廣瀬ボディー”を手に入れる


 チーム内の競争を勝ち抜く上で、課題は体づくりだという。入試準備により66キロまで落ちた体重は74キロ(177センチ)まで増量したものの、さらなるパワーアップを目論む。そこで、お手本としているのが、廣瀬主将だ。

「自分が勝手に言っているんですが、“廣瀬ボディー(182センチ91キロ)”を手に入れたいと思っています。あの体になれば、どこまで飛ばせるのか……」

 野球だけでなく、慶大総合政策学部では「興味のある学問を見つけ、その分野を極めたい」と、高校時代同様、文武両道へと突き進む。

 慶大では、セカンドに挑戦する。祖父と伯父は元高校球児で、大学時代は応援団に在籍し、野球部を後押しする立場だった。父も元高校球児で、大学では準硬式野球部でプレー。野球一家に育った今津は、学生野球の聖地・神宮での躍動を固く誓う。ハキハキとした口調と、鋭い目線から強い意思が感じられ、将来的にはチームの中核を担っていきそうだ。

文=岡本朋祐 写真=BBM
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