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慶大・堀井哲也監督が期待する新1年生の一人 横地広太は慎重派ながら意志の強さを感じる18歳

 

高校時代は超攻撃的な二番


慶應義塾高出身の横地は2月1日から慶大の練習に合流。左の巧打者として期待されている


 慶大は2月以降に順次、20人の新入生が全体練習に合流している。2019年12月から母校を指揮する堀井哲也監督は言った。

「ウチにしては、この時期に、(今春から)期待できる選手がいる。久しぶりです。大事に育てたい。故障も怖いので、見極めが大事になってきますが、早く戦力になってほしい」

 慶大にはスポーツ推薦入試がない。新入部員は今回の2月入部である一貫教育校、指定校推薦、AO入試、そして、3月以降の一般入試が主である。大学、野球部側から補強するシステムは一切なく、すべては高校生の意思に委ねられる。AO入試も倍率10倍超の難関であり、合格できる保証はどこにもない。だからこそ、積極的に声をかけられない。あくまでも、入試を勧めるしかできないのだ。

「何年か1回、うまくそろうときもある。今年は運が良かったと思います。(AO入試の場合は11月に)不合格になると、その先の進路が狭まる可能性もある。浪人覚悟。高校生はその気持ちを作るのが大変。こちらも(受験を勧めるにあたり)探すのが大変です」

 2月下旬からの鹿児島遠征には、1年生7〜8人の帯同を予定している。中でも堀井監督がレギュラーを脅かす新戦力として期待しているのは3人。投手は大阪桐蔭高で昨春のセンバツ優勝を経験した150キロ右腕・別所孝亮、昨夏の甲子園8強の144キロ左腕・渡辺和大。野手では、横地広太の名前を挙げた。

「横地のバットコントロールのレベルは柳町(柳町達ソフトバンク)、(昨年の主将の)下山(下山悠介、東芝入社)レベルにある」(堀井監督)

 176センチ72キロの横地は慶應義塾高出身。中学時代に在籍した世田谷西シニアでは準レギュラーと、目立った存在ではなかったという。中学校の評定はオール5の秀才で、超難関・慶應義塾高には、一般入試で合格。当初は大学でのプレーは考えていなかったが、高校で1年時から公式戦出場に恵まれ、次第に意欲が増していったという。

 右投げ左打ちの外野手。超攻撃的な二番打者として高校通算38本塁打で、50メートル走6秒0と足もある。世田谷西シニア、慶應義塾高を通じての先輩には、2023年の主将・廣瀬隆太がいる。

「中学のときから、廣瀬さんの存在は知っていました。1年間ですが、一緒にプレーできるのはうれしいです。話せる機会があれば、打撃についてもたくさん聞きたいです」

 好きな打者はレッドソックス・吉田正尚

「ミート率。鋭い打球で外野の間を抜いていきたい」

 有力新入生は、卒業後の目標として「プロ」を口にする選手が多いが、横地は「大きな目標を立てるのは苦手。1個1個です」と語る。まずは、神宮で活躍するために努力を重ねる。実際に大学野球でプレーしたのちに、将来像を考えていくという。慎重派ながら、逆に意志の強さを感じる18歳である。

文=岡本朋祐 写真=BBM
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