キーマンになる可能性は十分にある
早いもので12球団のキャンプも折り返し地点を過ぎた。テレビ、スポーツ新聞各紙で連日、キャンプの模様が伝えられるが、皆さんは誰の情報を知りたいだろう。
ヤクルトの
村上宗隆、
オリックスの
山本由伸……。今ならWBC代表選手の名前が次々挙がりそうだね。
俺も東京で仕事をしていたら同じだったかもしれないが、鳥取に拠点を移すと、またちょっと違ってくる。
やっぱり地元出身選手の活躍がすごく気になるんだ。そうだよね、彼らの出身中学、高校が身近にあって、車で前を通ったりするし、ちょっと立ち寄った店に、その選手の知り合いや先輩がいて、「〇〇君、どうですかね。今年はいけますか」とか聞かれることもある。
こちらも野球評論家を生業にしている以上、聞かれたら、ちゃんと答えられるようにしなきゃいけないしね。
ありがたいことに、今回は山陰の地方局から仕事をもらい、宮崎のキャンプを山陰出身の選手のインタビューで回った。
ソフトバンクの島根出身・
和田毅(ソフトバンク)は『週べ』の雑誌で書いたが、ほかは鳥取出身、カープの
森翔平、そして、これも島根出身だが、巨人の梶谷隆幸のインタビューもした。
一番興味深いなと思ったのが、梶谷だ。
俊足強打の外野手として
DeNAで大活躍し、巨人にFAで移籍したが、ケガばかりでまったく貢献できず、今年はヒザの手術もあって育成に格下げになった。
果たして今、どんな心境なのか、と思ったからだ。
しかし、さぞや悲壮感が漂っているのかと思ったら、明るいし、元気、元気。こんなによくしゃべるんだっけと思ったくらいだ。
原辰徳監督からも「おい、カジ。完治したらすぐ一軍に上げるからな」と言われているらしい。
キャンプ序盤の取材だったが、「今の状態は80パーセントくらい」と言い、「あとの20パーセントももうすぐだと思います」と力強く話していた。
ライトには
丸佳浩が回るようなので、センター、レフトを外国人選手と競うことになるはずだ。あまりレフトは経験がないというが「練習します」と言っていたし、彼の守備力があれば、大きな問題はないだろう。
バッティングは勝負強く、左の代打の切り札としても原監督が使いたい選手のはずだ。
この1年で結果が出なければクビもあるかもしれない崖っぷちではあるが、万全の状態で復帰すれば、V奪回のキーマンになってくることは間違いない。
写真=BBM