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阪神のドラ1・森下翔太の株が急上昇 他球団007「下位打線で一発ある打者は怖い」

 

十分なレギュラー候補


キャンプで評価を高めている森下


 阪神のドラフト1位・森下翔太が評価を上げている。
 
 右足肉離れの影響で春季キャンプは二軍スタートだったが、11日の紅白戦に紅組の「九番・指名打者」でスタメン出場。2回の1打席目でボール球をきっちり見極めて四球で出塁すると、3回に2年目右腕・岡留英貴の直球を振り抜いた打球は一、二塁間へ。全力疾走で内野安打となり、「プロ初安打」にベース上で安どの表情を浮かべていた。翌12日の紅白戦は途中出場で2打数無安打に終わったが、試合前のシートノックで右翼に入り、強肩を披露。俊足で守備範囲も広い。

 他球団のスコアラーは「体格がDeNAの牧(DeNA)に似ていますよね。フリー打撃を見ると牧以上に飛ばしている。変化球への対応など技術面でこれから高めなければいけない部分があると思いますが、下位打線で一発のある打者がいると怖いですよ。十分にレギュラー候補だと思います」と分析する。

良きお手本は大学の先輩・牧


 阪神は、岡田彰布監督の方針で今年から主力選手の守備位置を固定している。昨年右翼と三塁を守っていた佐藤輝明が三塁、大山悠輔が一塁となり、外野の顔ぶれが変わる。中堅はリードオフマンの近本光司で確定。左翼は新外国人のシェルドン・ノイジーを起用する可能性が高い。熾烈なレギュラー争いが繰り広げられるのが右翼だ。昨季自己最多の21盗塁をマークした島田海吏、打撃好調の板山祐太郎、復活を期す2016年新人王の高山俊、若手成長株の井上広大前川右京小野寺暖らが虎視眈々と定位置を狙う。森下がこの競争を勝ち抜くためには、実戦でアピールし続けるしかない。守備と走塁はプロで通用する水準に達しているだけに、カギを握るのは打撃だ。

 良きお手本が中大の2学年上で、DeNAの中心選手として活躍する牧だ。1年目の21年に打率.314、22本塁打、71打点をマーク。新人の「打率3割・20本塁打」達成は86年の清原和博(西武)以来35年ぶりの快挙だった。昨年も不動の四番で稼働し、打率.291、24本塁打、87打点。新人から2年連続の20本塁打は球団史上初で36本の二塁打はリーグトップだった。3月に開催されるWBCでも侍ジャパンのメンバーに選出され、世界の大舞台で活躍が期待される。

猛虎打線の迫力を増す存在に


 森下は東海大相模で1年夏から四番を務め、高校通算57本塁打をマーク。中大では1年春からレギュラーをつかみ、打率.306、2本塁打、9打点でベストナインを獲得と鮮やかなデビューを飾ったが、その後は打撃不振で試行錯誤を重ねた。苦しい時期に、道標となったのが先輩の牧だった。夜のスイング練習に誘ってもらうなど気に掛けてもらい、チームプレーに徹する姿勢に感銘を受けた。森下は週刊ベースボールの取材で、「一番近くで牧さんの背中を見てきて、チームメートに掛ける言葉だったり、姿勢がほかの選手よりも輝いていた。それが、自分が変わるきっかけになりました」と振り返っている。

 スランプを脱出し、4年春は打率.311、3本塁打で2度目のベストナインを獲得。右方向にも本塁打が打てる強みは牧と共通している。スケールの大きなプレースタイルが高く評価され、ドラフト1位で阪神に入団した。

 阪神は昨季リーグ5位の489得点。2ケタ本塁打は大山(23本)、佐藤(20本)の2人のみと迫力不足が否めなかった。森下が自慢の長打力で下位打線のポイントゲッターになれば、得点力が一気に上がる。プロ1年目で爪痕を残せるか。背番号「1」の和製大砲に掛かる期待は大きい。

写真=BBM
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