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川口和久WEBコラム

好調・大瀬良大地がカープのV奪回のカギになる/川口和久WEBコラム

 


肩もまったく問題なし


 少し前になるが、カープの日南キャンプに取材に行った。

 天福球場は、カープでの現役時代、2月になると行っていた場所だ。杉に囲まれた独特の景色を見ていると、自然と気持ちが引き締まる。

 思い出すだけで筋肉痛になってしまいそうなほどしごかれた。あのグラウンドには、カープの選手の汗がたっぷりしみ込んでいる。

 コロナもあって訪れたのは4年ぶりだ。ブルペンに行ったら、懐かしの安仁屋宗八さんがいた。現役時代のコーチで、お酒の大好きな明るい人だ。

 2人で話していたら、九里亜蓮床田寛樹が話しながら歩いていたから「仲良さそうだな」と言ったら2人で「へへへ」と笑っていた。

 昨年は映像でしかキャンプを見ていなかったが、新井貴浩監督になって雰囲気が明るくなったなと感じた。

 ブルペンでは大瀬良大地のピッチングも見たが、かなり調子がいい。体が少し大きくなったように見え、球に力があった。

 昨年は出足はよかったが、夏場からは球威がなくなり、大失速。前半だけで7勝を挙げながら最終的には8勝と1勝しか上積みできず、年齢的なものもあるのかなと思っていたが、実際は違っていたようだ。

 安仁屋さんと2人で少し大瀬良と話すチャンスがあったので、「今年は1年間、頑張ってくれよ」と言ったら、「言わなかったのですが、昨年は肩が本調子ではなかったんですよ」という話をしていた。

 それでも佐々岡真司監督から「結果はいい。ただ、最後まで投げ続ける姿をチームに見せてくれ」と言われ、エースの責任感で投げ抜いたと言っていた。

 今は肩はまったく問題ないどころが「めちゃくちゃ調子がいいです」と明るい表情で話していた。この時点でも140キロ台後半を出していたし、先日の紅白戦では早くも150キロが出た。

 広島は昨年5位とBクラスではあったが、3位の阪神と勝ち星の差はわずか2勝と詰まっていた。大瀬良がしっかり1年間投げ切ることで十分上位に食い込むことはできるだろう。

 新井監督は、まだ開幕投手を公言していないようだが、最有力候補であることは間違いない。
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