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巨人・オコエが開幕スタメンも?「楽天戦力外危機」からブレークできるか

 

実戦で結果を残して


現役ドラフトで巨人のユニフォームを着たオコエ。レギュラー奪取となるか


 巨人の外野陣で、熾烈なレギュラー争いが繰り広げられている。

 レギュラーが確約されていると言えるのは、丸佳浩のみ。来日1年目に予想以上の活躍で、新たに2年契約を勝ち取った左翼のアダム・ウォーカーも、定位置を保証されているわけではない。飛距離はチームトップクラスの和製大砲・秋広優人、強打が持ち味のドラフト2位・萩尾匡也もキャンプでアピールし、虎視眈々とレギュラー奪取を狙っている。さらに、本職が二塁の増田陸が外野での守備練習に志願参加。出場機会を得るために、眼光が鋭い。

 中堅は新外国人のルイス・ブリンソンが最有力候補だ。守備練習では矢のような送球で強肩ぶりを発揮しているが、打撃で結果を残さなければ他の選手にもチャンスが出てくる。丸を中堅に戻し、右翼に広島から無償トレードで復帰した長野久義を入れる陣容も考えられるだろう。キャンプは二軍スタートで、侍ジャパンのサポートメンバーとして参加している松原聖弥重信慎之介も中堅の候補になる。その中で、必死にアピールを続けているのが、現役ドラフトで楽天から新加入したオコエ瑠偉だ。2月17日の紅白戦に白組の「八番・右翼」でスタメン出場すると、3打数2安打1打点をマーク。2回二死一、三塁で三塁へ適時内野安打を放つと、4回も中前打をときっちり結果を残した。

 スポーツ紙記者は「レギュラー組と違って、オコエは調整と呼べる立場ではない。実戦で結果を残し続けることで首脳陣の信頼が上がり、出場機会が増える。持っている身体能力は間違いなく高いだけに、何か一つきっかけをつかめば大化けする可能性がある。センターはブリンソンが開幕スタメンに最も近いですが、これから実戦を重ねることで序列をひっくり返せるか。中堅を守れる選手はそう多くないので、オコエにもチャンスはあります」と期待を込める。

楽天では能力を発揮できず


 走攻守三拍子そろったプレースタイルで、ドラフト1位で入団した楽天では「チームを背負って立つ選手」と期待されたが、伸び悩んだ。昨季は6試合出場のみ。シーズンの大半をファームで過ごした。石井一久監督が野球に取り組む意識で苦言を呈することがあったが、それは期待の高さの表れでもあった。

 スポーツ紙デスクは「楽天は右打者が少なかったので、オコエにもチャンスはあったんです。でもプレーにムラがあり、ミスも目立った。スピードが武器なのに、生かし切れていない部分がありましたね。楽天としては現役ドラフトで移籍したほうが、オコエの野球人生にとっても良いと考えたのでしょう。あのまま楽天にいても戦力構想から外れていた可能性が高いと思います」と指摘する。

オコエの活躍で移籍が活発化も


 精神的な甘さが挙げられていたが、退路を断った新天地では変わった姿を見せたい気持ちが強いだろう。宮崎1次キャンプから一軍に帯同。午前7時開始のアーリーワークからスタートし、全体練習後の居残り特打までひたすらバットを振った。沖縄入りのキャンプメンバーに選出されたが、ここから本格的なふるい落としが始まる。

「現役ドラフト」は、出場機会に恵まれていなかった選手に新たな活躍の場を与えるために昨年12月から導入された。オコエが活躍すれば、くすぶっている選手たちが再注目されて移籍が活性化する可能性がある。戦力層の厚い巨人で競争を勝ち抜き、サクセスストーリーを描けるか。

写真=BBM
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