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現役ドラフトのレベルの選手ではない? 阪神・大竹耕太郎に「2ケタ勝つ力ある」の声が

 

風格すら感じさせる投球


新天地の阪神で躍動している大竹


 今年の春季キャンプは、現役ドラフトで新天地に移籍した選手たちが存在感を発揮している。

 一軍スタートの巨人オコエ瑠偉は実戦で結果を残し、首脳陣の評価を高めている。中日の和製大砲・細川成也もチームで今季対外試合初となった2月11日の韓国サムスン戦(赤間)で右中間に「チーム1号」となる3ランを放つなど、得点力不足が深刻なチーム事情で、細川の長打力は大きな魅力だ。外野で定位置奪取の可能性は十分にある。

 現役ドラフトで移籍した選手の中で、最も評価が高いのが阪神・大竹耕太郎だ。ソフトバンクでは一軍に定着はできなかったが、2020年にウエスタン・リーグで最多勝、最優秀防御率、最高勝率のタイトルを獲得するなど、以前から実力は高く評価されていた。早大の先輩・岡田彰布監督が就任した阪神に移籍したが、快投を続けて評価を高めている。12日の紅白戦で3回無安打無失点の好投を見せると、19日の練習試合・サムスン戦(宜野座)でも3回1安打無失点と危なげない投球だった。球威十分の直球で内角を突き、チェンジアップ、カーブ、スライダーを織り交ぜて相手打者に的を絞らせない熟練の投球は風格すら感じさせる。

阪神にとって大きなプラスアルファ


 先発陣が充実していたソフトバンクでチャンスをつかめなかったが、阪神も投手陣は12球団屈指の陣容だ。青柳晃洋西勇輝伊藤将司の3本柱は確定。4番手以降に西純矢才木浩人秋山拓巳岩貞祐太桐敷拓馬ブライアン・ケラーが熾烈な競争を繰り広げる。大竹はこの争いの中に割って入れるか。

 スポーツ紙記者は、「先発は6人では少ない。トミー・ジョン手術を受けて昨季復活した才木は登板間隔を空けるときがあるだろうし、西純も先発ローテーションを1年間守って投げられるかはまだまだ未知数です。ケガなど想定外のアクシデントも起こりうるし、先発は何人いても困らない。大竹は制球難で自滅するタイプではなく、きっちり試合をつくれる。現役ドラフトでこのクラスの投手が獲れたのは、阪神にとって大きなプラスアルファだと思います」と評価する。

2ケタ近く勝てる力はある


 野球評論家の高木豊氏も、現役ドラフトで奇跡した選手を取り上げた週刊ベースボールの企画で、大竹について以下のように語っている。

「投手で言うなら、大竹耕太郎(阪神)がブレークするのではと期待しています。層の厚いソフトバンクでは一軍でのチャンスは少なかったようでしたが、阪神では大学の先輩でもある岡田彰布監督がうまく使ってくれると思います。阪神も投手陣は12球団一ですけどね(笑)。技巧派左腕で、おそらく先発候補。左の先発は伊藤将司、今季から岩貞祐太が加わりますが、その次あたりの位置づけでしょう。球威のある投手がそろう中継ぎ陣に入れても面白い存在ですが、やはりタイプ的に先発かなと思います。先発ローテーションに入れれば、2ケタ近くは勝てる力は持っていますから楽しみです」

 ソフトバンク時代のキャリアハイは19年で17試合登板し、5勝4敗、防御率3.82。106イニングを投げたが、翌20年以降は登板機会を大きく減らして、昨季は2試合登板に終わった。能力の高さを考えれば、もっと勝っていても不思議ではない。タテジマのユニフォームに袖を通した27歳左腕は、岡田阪神の救世主になれるか。

写真=BBM
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