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侍ジャパンで活躍の巨人・松原聖弥 「本戦メンバーに見劣りしない」の声が

 

一つひとつのプレーに集中


侍ジャパンでサポートメンバーとしてプレーした松原


 侍ジャパンは注目度が高い。宮崎強化合宿では多くの観客が詰めかけた。2月21日にはダルビッシュ有(パドレス)がフリー打撃で登板し、村上宗隆(ヤクルト)と「夢の対決」が実現。村上がツーシームをバックスクリーンに運び、スタンドがどよめいた。

 今回の強化合宿はメジャーのスプリングキャンプで調整している吉田正尚(レッドソックス)、鈴木誠也(カブス※その後、ケガで辞退)、ラーズ・ヌートバー(カージナルス)の3選手が参加していない。外野手が手薄な中で、サポートメンバーとして参加したのが松原聖弥重信慎之介(巨人)、西川愛也(西武)の3選手だった。

 2月26日の壮行試合・ソフトバンク戦(サンマリン)では西川が美技を見せた。「九番・右翼」でスタメン出場し、4回二死二塁で嶺井博希の右翼後方への大飛球を追いかけ、最後はダイビングキャッチ。チームのピンチを救う好捕にナインから拍手が送られた。重信も攻守でハツラツとしたプレーを見せる。その中で、侍ジャパンのメンバーに攻守で見劣りしないプレーを見せたのが松原だった。

 25日に行われた同戦に「九番・右翼」でスタメン出場し、3回一死で大関友久の直球をはじき返す中前打。さらに自慢の俊足で二盗も決めた。26日には途中出場し、1点を勝ち越した9回一死三塁の好機では左犠飛を放ち、2点差に突き放した。

 侍ジャパンを取材するスポーツ紙記者は「松原は目立っていましたね。身体能力の高さで言えば、侍ジャパンに選ばれても不思議ではない。昨年は不完全燃焼に終わっただけに、期する思いが強いでしょう。一つひとつのプレーに集中して動きのキレも良かった。巨人の外野陣は熾烈な争いが繰り広げられていますが、丸佳浩を除く2つのポジションはレギュラーが確定していない。松原にも十分チャンスがある。侍ジャパンで見せたようなパフォーマンスを出せれば、もう一度輝けると思います」と期待を込める。

2021年に大ブレーク


 育成枠で入団した当時は無名の存在だったが、攻走守で非凡な野球センスを兼ね備えて頭角を現すのは早かった。プロ2年目の18年に支配下昇格すると、21年にブレーク。135試合出場で打率.274、12本塁打、37打点、15盗塁といずれも自己最高の成績を残した。

 巨人OBで野球評論家の川口和久氏は週刊ベースボールのコラムで、「松原については以前見たとき、攻守走の三拍子はそろっているが、もうちょっとパワーが欲しいな、と思っていた。体も大きくないし、足を生かしてゴロが多いのは仕方ないが、それだけでは投手になめられる。でも、この間、東京ドームでレジェンド解説をした8月28日の中日戦でセンターオーバーの打球があったが、振りが鋭く、パワーもついてきたなと思った。あとは巨人の選手にあまりない、したたかさもいいね。ヤクルト戦ではライトゴロもマークしたが、事前に一塁手にも『狙う』と言っていたという。とても一軍1年目の若手選手とは思えない。心臓は“元木級”なのかな」と高く評価していた。

昨年は不本意な結果に


 不動のリードオフマンとして期待された昨年だが、課題に挙げられた打撃の確実性で試行錯誤し、持ち味の野性味が消えているように感じた。2月の春季キャンプから状態が上がらず、実戦で結果を残せない。シーズンでも一軍定着すらままならず、50試合出場で打率.113、0本塁打、4打点、2盗塁と悔しい結果に終わった。

 昨オフに背番号「9」から「59」に変更。亀井善行打撃コーチが現役時代に着けていた番号をわずか1年で剥奪されたことに、危機感は当然感じているだろう。今年の春季キャンプは二軍スタートだったが、侍ジャパンのサポートメンバーの期間が終了し、一軍キャンプに合流した。天才的な野球センスを持つ男は再び輝けるか。

写真=BBM
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