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阪神が強力打線に変貌? 三番・森下翔太に他球団が「こんな良い打者とは」と驚きの声が

 

右翼のレギュラーへ


実戦で結果を残している阪神のドラフト1位・森下


 阪神のドラフト1位・森下翔太の評価が急上昇している。

 右足肉離れで春季キャンプは二軍スタートとなったが、実戦練習が始まった中盤に一軍に合流すると一気に巻き返した。2月23日の練習試合・中日戦(北谷)に「六番・右翼」でスタメン出場すると、東海大相模高で3学年上の左腕・小笠原慎之介から2回無死一塁で左翼線へ適時二塁打。1ボール2ストライクと追い込まれたが、チェンジアップをうまく拾って対応力の高さを見せた。

「三番・右翼」でスタメン出場した26日のオープン戦・日本ハム戦(名護)では猛打賞の活躍。成長株左腕・根本悠楓から放った3つの安打は内容も濃い。初回一死一塁で詰まりながらも右前打を放ち、先制点の足掛かりを作ると、2回は直球を力強く引っ張って左前打。4回の3打席目はチェンジアップを中前打と広角に打ち分けた。実戦で打率.381とハイアベレージを記録。右翼は熾烈なレギュラー争いが予想されたが、森下が抜け出した状況となっている。

 もちろん、今後のオープン戦でプロの一線級の投手にどう対峙するか試されるが、他球団のスコアラーは驚きを隠せない。

「正直、こんな良い打者だとは思わなかった。大学時代はムラがあり、確実性に欠けるイメージだったが、プロの球筋にきっちり対応できている。体が大きいし、打球が強い。変化球への対応力が高く、ボール球を振らないのも厄介です。牧秀悟(DeNA)に似ていますね。右翼の守備も強肩で球際に強い。阪神は近本光司中野拓夢とチャンスメークできる一、二番がいる。ここで三番に森下がハマるようだと、強力打線になる。阪神のポイントになる打者ですね」

大山、佐藤に続いて


 名門・東海大相模高では1年夏から四番に座り、高校通算57本塁打をマーク。中大でも1年春から出場し、ベストナインを獲得した。2、3年は打撃不振で試行錯誤を繰り返したが、4年春に3本塁打、11打点をマークして復調した。大学の2学年上で打撃不振の際は気に掛けてくれた牧は、あこがれの先輩だった。同じ右打者で広角に長打を打ち分ける打撃スタイルで球界を代表する強打者に上り詰めた姿は、大きな刺激になるだろう。

 プロ1年目から活躍することは容易ではないが、先輩たちは爪痕を残している。岡田彰布監督に「不動の四番」と期待される大山悠輔はプロ1年目の2017年に75試合出場で打率.237、7本塁打、38打点。勝負強い打撃で新人の年から四番に抜擢されている。佐藤輝明の活躍も記憶に新しい。新人の21年は126試合出場で打率.238、24本塁打、64打点をマーク。後半に失速したが、新人で最速となる33試合目で2ケタ本塁打に到達するなど、本塁打を量産した春先の活躍は衝撃的だった。

「一番の強みは長打力」


 背番号「1」を背負う森下は昨年12月の入団会見で、決意を口にしている。「一番の強みは長打力だと思っているのでそこを大いに発揮したいなと思っています。1年目は新人王を目指しているので、1年目から一軍に入ってしっかり結果残せればと思っています」と抱負を語った上で、「チームの勝利にいち早く貢献して『アレ』を目指せるように頑張っていきたい」と力強く誓っていた。

 森下が三番、大山が四番、佐藤が五番とドラフト1位の長距離砲3選手がクリーンアップを担えば、阪神の未来は明るい。得点力不足の貧打がV逸の原因となったシーズンが続いた中、森下は救世主になれるか。

写真=BBM
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