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中日・アキーノはウッズ2世? 他球団から「日本で大ブレークする可能性」と警戒の声が

 

侍ジャパン相手に2試合連発


強打を発揮している中日の新外国人・アキーノ


 ハイレベルな競争が、チーム力の底上げにつながる。得点力不足に悩んでいる中日でカギを握るのが、助っ人外国人たちの活躍だ。今月2日にバンテリンドームで行われた侍ジャパンとの合同練習では、打線がつながった。

 相手は日米通算188勝右腕のダルビッシュ有(パドレス)。初回に先頭打者の岡林勇希が死球で出塁すると、続く大島洋平は一ゴロ。三番に入ったオルランド・カリステが四球を選んで一死一、二塁の好機を作ると、四番のダヤン・ビシエドが左前適時打で先制。さらに、アリスティデス・アキーノも左前適時打で続き、2点目を奪った。

 ダルビッシュは侍ジャパンで初の実戦登板であることから、まだコンディションが万全でないことを差し引かなければいけない。右足付近に死球を受け、病院で打撲の診断を受けた岡林の状態が気がかりだが、助っ人勢が活躍したのは明るい材料だ。

 中軸として中日で7年間プレーし、チームの顔として活躍してきたビシエドも開幕一軍が保証されているわけではない。カリステ、アキーノのほか、3年ぶりに復帰したソイロ・アルモンテも2月の春季キャンプで本職の外野だけでなく、ビシエドが守る一塁に挑戦している。

 とりわけ、パワーヒッターとして存在感を示しているアキーノの存在は、良い刺激になっているだろう。春季キャンプ中の実戦9試合に右翼でスタメン出場。2月22日の練習試合・楽天戦(北谷)で初回二死一、二塁から、松井友飛の直球を逆方向の右翼ポール際に運ぶ3ランを放つと、26日の広島とのオープン戦(同)では2回にドリュー・アンダーソンのカーブを豪快に引っ張り、打球は左翼席後方の防球ネット最上段を直撃。オープン戦1号の先制ソロを放った。さらに、3月3、4日に行われた侍ジャパンの強化試合でも2試合連続本塁打をマークした。

 中日を取材する記者は「和田一浩打撃コーチの指導で、タイミングの始動を早く取ることで余裕を持ってボールを見極められるようになっている。明るい性格でチームに溶け込んでいますし、練習熱心で首脳陣の助言に真剣に耳を傾けている。日本で成功したい思いが強いのでしょう」と語る。

大ブレークの可能性


横浜、中日で活躍したウッズ


 ビシエド1人に負担が掛かっていたが、アキーノがクリーンアップとして計算できれば破壊力が一気に増す。他球団のスコアラーは「空振りが多くもっと粗いと思っていたが、きっちり捉えているし逆方向にも打球が飛ぶ。飛距離は間違いなく球界トップクラスでしょう。少し詰まってもスタンドに運ぶパワーがある。タイロン・ウッズみたいな雰囲気ですね。大ブレークする可能性があります」と警戒を強める。

 横浜(現DeNA)、中日でプレーしたウッズは球界屈指の助っ人強打者だった。来日6年間で本塁打王を3度獲得するなど、通算240本塁打をマーク。広角に本塁打を放ち、場外アーチを連発するなど飛距離も規格外で、相手投手を震わせていた。広いナゴヤドームで06年に自己最多の47本塁打を放ち、リーグ優勝に大きく貢献した活躍は衝撃だった。

 ウッズはメジャーに一度も昇格することなく、韓国球界で成績を残し、日本で大輪の花を咲かせた。アキーノも身体能力は高い。19年に19本塁打を放つなどメジャー通算41本塁打を記録したが、変化球に脆く、20年以降は3年連続打率2割以下と確実性を欠いた。ウィークポイントを修正して日本野球に適応できるか。アキーノが30本塁打以上マークすれば、中日打線は間違いなく生まれ変わる。

写真=BBM
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