週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

韓国が不気味な存在 侍ジャパンより戦力落ちるが、「日本相手だと強い」と警戒の声が

 

日本と同じプールB


韓国代表入りしたエドマン


 鈴木誠也が左脇腹痛で出場辞退したことは大きな痛手だが、侍ジャパンが投打で充実した陣容であることは間違いない。

 ダルビッシュ有(パドレス)、山本由伸(オリックス)、佐々木朗希(ロッテ)と先発陣は豪華なタレントが並び、救援陣も質の高い投手たちがそろう。打線も四番の村上宗隆(ヤクルト)を中心に、吉田正尚(レッドソックス)、ラーズ・ヌートバー(カージナルス)、牧秀悟(DeNA)、山川穂高(西武)、岡本和真(巨人)ら強打者たちが並ぶ。そして、投打でメジャートップレベルのパフォーマンスを発揮している大谷翔平(エンゼルス)の存在が頼もしい。栗山英樹監督の起用法が注目されるが、今大会のキーマンになることは間違いない。

 戦前の下馬評では米国、ドミニカ共和国、日本が優勝候補に挙げられている。だが、国際大会では波乱が起きても不思議はない。ダークホースとして不気味な存在が、1次ラウンドで日本と同じプールBに入った韓国だ。

 スポーツ紙デスクは、警戒を口にする。

「投手力は優勝候補の3カ国より落ちるが、打線は破壊力があります。2013、17年のWBCはエンジンがかからずに1次ラウンドで敗退した反省を踏まえて、今大会は最終メンバーを早々と発表して調整に余念がない。韓国は日本戦になると普段以上の力を発揮する。戦力は侍ジャパンが上ですが、決して油断できない相手です。勢いをつけるためにも絶対に負けられない戦いです」

 1点を争う国際試合は、守備の綻びが勝負の明暗を分ける。韓国の二遊間は強固だ。韓国系アメリカ人として韓国代表に選出されたトミー・エドマン(カージナルス)は、二塁で抜群の守備能力を誇り、21年にゴールドグラブ賞を獲得。俊足で21、22年と2年連続30盗塁をクリアし、打撃もパンチ力がある。遊撃はダルビッシュとチームメートの金河成(パドレス)。攻走守3拍子揃った選手で、昨季は自己最多の150試合出場で打率.251、11本塁打、59打点、12盗塁をマークした。

09年WBCでは決勝で日本と激闘


2009年のWBC決勝では日本と激闘を繰り広げた


 打線の主軸を担うのは李政厚(キウム)。メジャーが注目する24歳の逸材で、昨季は韓国リーグで打率.349、23本塁打、113打点で2年連続首位打者、自身初の打点王に輝いた。巧みなバットコントロールで選球眼にも優れている。韓国代表の常連で、侍ジャパンが最も警戒する打者の1人になるだろう。父・李鍾範中日でプレーしており、印象に残っている野球ファンが多いのではないだろうか。

 また、ツインズでプレーした経験がある朴炳鎬(KT)も韓国代表で長年四番を務めた大黒柱だ。昨年は35本塁打をマークし、6度目の本塁打王を獲得。ダルビッシュと同学年の36歳とベテランの域に入ったが、その長打力は健在だ。

 投手陣は、過去に「日本キラー」として立ちはだかった金廣鉉(SSG)を中心に、左腕が5人登録されている。絶対的な投手がいないだけに、日本戦は小刻みな継投策で目先を変えてくる可能性がある。侍ジャパンは大谷、ヌートバー、吉田、村上ら左打者が多い編成になっているだけに、「左腕対策」がポイントになる。

 WBCで日本と韓国の対戦成績は4勝4敗と互角。09年のWBC決勝で侍ジャパンと激闘を繰り広げ、最後まで苦しめられた。08年の北京五輪では金メダルに輝くなど、手強いライバルとして日本の前に立ちはだかってきた。

 日本は1次ラウンド2戦目の今月10日に、韓国と対戦する。意地と意地がぶつかった戦いが注目される。

写真=Getty Images
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング