週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

侍ジャパン史上最年少の高橋宏斗 メジャー関係者「佐々木朗希を超える逸材」と絶賛

 

壮行試合でも好投


WBCでの快投が期待される高橋宏


 WBCでは1試合につき1次ラウンドは65球、2次ラウンドは80球、準決勝以降は95球を超えて投げることができない。球数がかさめば4、5回のイニング途中で降板を余儀なくされる。その中でカギを握るのが、試合の中盤を投げる「第2先発」だ。

 先発陣は大谷翔平(エンゼルス)、ダルビッシュ有(パドレス)、山本由伸(オリックス)、佐々木朗希(ロッテ)と強力な投手陣がそろっている。「第2先発」に組み込まれるのが、戸郷翔征(巨人)、今永昇太(DeNA)、宮城大弥(オリックス)、高橋奎二(ヤクルト)、高橋宏斗(中日)。WBC使用球の扱いに試行錯誤した投手が目立つ中、抜群の安定感を見せているのが高橋宏だ。

 3月4日の壮行試合・中日戦(バンテリン)で、同点の6回に登板。普段はチームメートの相手打線に圧巻の投球を見せた。先頭打者のオルランド・カリステへの2球目に、本拠地で自己最速の157キロをマーク。四球で出塁を許したが、大島洋平を155キロ直球で右飛に仕留めた。捕手の甲斐拓也も高橋宏を助ける。代走で途中出場した三好大倫の二盗を阻止した。現役ドラフトでDeNAから移籍し、長打力でアピールしている打撃好調の細川成也をスプリットで空振り三振に。7回はダヤン・ビシエドをスプリット、アリスティデス・アキーノを直球、高橋周をスピリットで3者連続空振り三振。2回無安打無失点と、ほぼ完ぺきな投球内容だった。

 高卒3年目の20歳は侍ジャパンで史上最年少。その潜在能力は計り知れない。メジャー関係者は、「佐々木朗はメジャーでも注目の右腕だが、高橋宏も負けていない。三振奪取能力が高く、制球にばらつきがなくまとまっている。数年後には佐々木朗を超えていても、不思議ではない逸材。WBCで一気に知名度が上がる可能性がある」と予言する。

2009年は杉内が「陰のMVP」に


2009年のWBCで世界一に貢献した杉内[右]


「第2先発」が覇権奪回のキーマンになることは、過去の戦いが証明している。侍ジャパンが大会連覇を飾った09年のWBCで、「陰のMVP」と称賛されたのが、救援で奮闘した杉内俊哉(当時ソフトバンク)だった。チームでは先発を務めていたが、松坂大輔(当時レッドソックス)、岩隈久志(当時楽天)、ダルビッシュ有(当時日本ハム)と3本柱が固まっていたため、救援に回った。

 負ければ敗退が決まる2次ラウンドのキューバ戦で、3点リードの7回に2番手で登板すると、3回無安打無失点の快投でセーブを記録。準決勝のアメリカ戦も好救援で流れを相手に渡さない。6対2と4点リードで迎えた5回に、先発の松坂が二死一、二塁のピンチを招いた場面で、杉内がコールされた。メジャー通算462本塁打のアダム・ダンを空振り三振に仕留めると、続投となった6回も無失点に抑え、決勝進出に導いた。

 決勝・韓国戦でも1点差に迫られた8回途中に登板し、きっちり後続を抑えた。この大会6試合登板で6回1/3を投げて無失点。決勝戦で同点の延長10回に、決勝2点適時打を放ったイチロー(当時マリナーズ)が間違いなく主役だが、杉内の活躍がなければ頂点に上り詰められたか分からない。それほど貢献度は高かった。

 救援登板で高橋宏が相手を圧倒するような投球を見せれば、試合の主導権を握れる。メジャーの強打者たちが並ぶ強豪国との対戦で、快刀乱麻の投球を見せられるか。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング