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【大学野球】ロスから沖縄へ…充実の時を過ごす早大の主将・森田朝陽の決意

 

黒星の中にも収穫


早大の主将・森田はロサンゼルス遠征を経て、沖縄・浦添キャンプでも充実の時間を過ごしている


 沖縄県浦添市内でキャンプを張っている早大は3月9日、エナジックとオープン戦(ANAボールパーク浦添)を行い3対9で敗れた。早大の第113代主将・森田朝陽(4年・高岡商高)は黒星の中にも、収穫を語っていた。

「四球絡みで失点を重ね、追い上げるには難しい展開でしたが、試合中盤に食らいついて、何とかしてやろうという姿勢を見せることができました。次につながると思います」

 自身は「一番・中堅手」で先発出場。前日の福岡工大とのオープン戦が2023年の対外試合初戦だったが、2戦続けてノーヒットだった。これも、東京六大学のキャプテンナンバーである背番号「10」を着ける重圧なのか。

「グラウンドに立つ上では、言い訳にしかならない。チームが勝つ上で、乗り越えていかないといけない。プレッシャーどうのではなく、技術的にまだまだということです」

 2月24〜3月2日まで行われたロサンゼルス遠征では3試合のオープン戦が予定されていたが、悪天候のため、すべて中止となった。

「仕方ないです。40年ぶりの悪天候と聞いて、ビックリしました。短い時間の中でムダをなくして練習する中で、多くの学びがありました。現地の小学生を対象とした野球教室では、ティー打撃などで子どもたちが順番を奪い合っていたんです。日本ではあまり見られない光景で、ハングリー精神と意欲を感じました。練習以外でもドジャー・スタジアム、エンゼル・スタジアムの見学、早稲田大学野球部にゆかりのあるピーター・オマリーさん(ドジャース元オーナー)の晩餐会、ロッド・デドーさん(南カリフォルニア大元監督)の墓参、野球部の先輩であるアイク生原さん(ドジャース・オマリー元オーナーの専属秘書)の墓参など、貴重な経験をさせていただきました」

「チーム全体が活気づいています」


 現地から羽田空港経由で、3月4日に沖縄入り。すでに1日から先乗り組の24人が浦添キャンプを張っており、ロス組の21人が合流する形となった。

「浦添組のやってやろう!! という、1プレー1プレーから気迫を感じました。オープン戦では、故障で出遅れた関係でLA遠征に参加できなかった生沼(弥真人、3年・早実)のアピールが目立ち、チーム全体が活気づいています。良い流れで練習ができています」

 浦添キャンプは16日に打ち上げ、その後、関西、東海遠征が24日まで続く。東京六大学リーグ戦開幕(4月8日。早大は第2週の同15日の東大戦が開幕カード)まで約1カ月。主将・森田は背筋を伸ばして言う。

「春のリーグ戦までに自信をつけて、一つひとつ課題をつぶす。あとは思い切ってやるだけ、俺たちはできる、というチーム力を整えて、開幕を迎えたいと思います」

 森田は1球1球、自身のフォームをチェックしながら打撃メニューを消化。あくまでも、試合で結果を残すための練習。ANAボールパーク浦添は穏やかな陽気だったが、グラウンド内はピリッとした空気が流れていた。

文=岡本朋祐 写真=BBM
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