日本ハム就任1年目のリーグ優勝

2012年、栗山監督は就任1年目で日本ハムを優勝へ導いた
第5回WBCで侍ジャパンを率いる
栗山英樹監督。プロ野球では2012年に日本ハムの監督に就任したときは、その手腕に懐疑的な声が集まるのも不自然とは言い切れなかった。なにせコーチ経験もないままの監督なのだ。だが、結果はプロ野球17人目となる就任1年目のリーグ優勝。WBCで栗山監督に期待する声は、そのときの衝撃が思い返されるからかもしれない。今回は、この12年の日本ハムのベストオーダーから振り返る。
(日本ハム2012年のベストオーダー)
1(二)
田中賢介 2(三)
小谷野栄一 3(右)
糸井嘉男 4(左)
中田翔 5(一)
稲葉篤紀 6(中)
陽岱鋼 7(指)
ホフパワー 8(捕)
鶴岡慎也 9(遊)
金子誠 リードオフマンは1年だけMLBジャイアンツに在籍した二塁手の田中賢介だが、一方、第5回の侍ジャパンで、ひときわ注目を集めているのが日本人メジャー・リーガーたち。
広島からカブスへ移籍した
鈴木誠也は残念ながら出場を辞退したが、パドレスの
ダルビッシュ有、エンゼルスの
大谷翔平はプロ野球では日本ハムひと筋。ダルビッシュが海を渡ったオフこそが、栗山監督が就任したタイミングだった。
ご賢察の読者もいると思うが、今回の試みは、このラインアップをベースに歴代の日本人メジャー・リーガーを集めてみよう、というもの。作業は守備位置の同じ選手を自動的に入れていくだけの実に機械的な作業だ。複数のポジションを守れる選手もいるが、参考にするのは過去のプロ野球で在籍したチームでベストオーダーに並んだことのあるポジションで、同じ守備位置に選手が重なったら、その打順でベストオーダーに並んだことがあるかを徹底的に探してみた。
日本人メジャー・リーガーで圧倒的に多いのは投手。第1号の
村上雅則(南海ほか)、パイオニアの
野茂英雄、第1回と第2回のWBCで連続MVPの
松坂大輔(
西武ほか)ら、投手の層は厚い。逆に意外だったのは、日本では強打者が多いイメージの一塁手が少なく、指名打者にいたっては1人もいなかったのだ。
歴史的ドリームチームは控えも盤石
指名打者は大谷がいるじゃないか、と思われるだろうが、大谷が日本ハムのベストオーダーに並んだのは投手と右翼手で、指名打者ではなかった。とはいえ、大谷がいるのに該当者なしとするのも奇妙な話なので、大谷を指名打者で入れると、以下のようなラインアップとなる。
1(二)
井口資仁(
ロッテほか)
2(三)
福留孝介(
中日ほか)
3(右)
イチロー(
オリックス)
4(左)
筒香嘉智(
DeNA)
5(一)
中村紀洋(近鉄ほか)
6(中)鈴木誠也(広島)
7(指)大谷翔平(日本ハム)
8(捕)
城島健司(
ソフトバンクほか)
9(遊)
松井稼頭央(西武ほか)
(所属はNPB)
「一番・二塁」は田中だけでなく遊撃手の
川崎宗則(ソフトバンク)、「二番・三塁」は
西岡剛(ロッテほか)が控え。クリーンアップの印象が強い福留の二番は1999年のルーキーイヤーでのものだ。三番と右翼で完全に重なるのがイチローと
松井秀喜だが、
巨人のベストオーダーで松井秀喜は三番と四番で、守備も中堅と右翼でしか並んでおらず、今回はキャリアの長さで松井秀喜が控えに。左翼は筒香嘉智より
田口壮(オリックス)のほうが圧倒的にキャリアがあるものの、四番でオリックスのベストオーダー並んだことがなかった。
三塁手の中村紀洋が五番にいるが、ここではDeNA時代、まさに2012年の一塁手。鈴木が夢の世界では六番打者だ。キャリアは鈴木より長いが、現在の日本ハム監督でもある
新庄剛志も控えている。捕手は城島健司の独壇場。一番の印象が強い松井稼頭央はブレークした1995年の九番打者として打線をつなぐ。ここでは打順の兼ね合いで三塁手の
岩村明憲、中堅手の
青木宣親ら
ヤクルト陣が控えにいる。守備位置を変えて、打順に並んでいない選手たちをラインアップに入れる戦略もあるはずだ。
なお、今回ひときわ注目を集めている日系人の
ラーズ・ヌートバー(カージナルス)は日本のプロ野球を経験していないためラインアップに含めていない。ヌートバーの加入もあれば、さらに選択肢が広がる。では、続きはファンの皆様の夢の中で。
文=犬企画マンホール 写真=BBM