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【大学野球】リーグ戦でスタメン起用も予想されるスーパー1年生 “二刀流”も志す亜大・石川ケニー

 

野球センスの塊


亜大の1年生・石川ケニーは潜在能力が高い


 1年生がチームに活気をもたらせている。亜大・石川ケニー(明秀日立高)だ。

 投げてはサウスポーで最速143キロ。バットを持たせれば、高校通算34本塁打と野球センスの塊である。

 亜大・生田勉監督は言う。

「本人は二刀流でチャレンジしたい、と。『両方はきついぞ!』とは言っていますが、前向きですね。まずは外野手として、打つことを期待しています。投手のメニューは、自主練習で消化するように指示を出しています」

 日本人の父・則良さんとアメリカ人の母・デニースさんを持つ。ハワイ・オアフ島生まれ。マノア・エレメンタリースクールではサーフィン、バスケットボール、アメリカンフットボールに親しんだ。小学2年冬に日本(神奈川)へ移住。4年時から瀬谷リトルで野球を始めた。中学時代に在籍した瀬谷シニアでは2年時に全国大会(五番・右翼)を経験した。

 明秀日立高(茨城)への進学は兄・シェインさんの影響が大きい。巨人増田陸と同級生で2018年のセンバツでは記録員として、チームに尽力した。「金沢成奉監督に熱意を感じたので」と、ケニーも迷わず、同校に進学した。

「濃い3年間を過ごすことができました。自分たちの代では秋の国体以外はすべてのステージを経験させていただきました(2年秋は県大会優勝、関東大会優勝、明治神宮大会8強、センバツ2回戦進出、3年春の県大会優勝、関東大会8強、同夏の県大会優勝、甲子園3回戦進出)。楽しい高校野球でした」

交流試合で早くも満塁弾


 主将を務め、四番・投手の重責も全うした。攻守で高いレベルで、ドラフト候補にも挙がったが、プロ志望届の提出を見送っている。

「正直、迷いました。夏の甲子園が終わってから進学一本に固めました。中途半端は良くない、と。仮にプロへ行けたとしても未熟。ならば、生田監督の下、施設が整った亜細亜大学でプレーしたいと思いました。2月に合流しましたが、恵まれた環境で、この選択は大正解でした。大学で日本一を目指したい」

 2月末には、大学・社会人らの交流試合である薩摩おいどんカップに出場。慶大戦では満塁弾を放つなど、早くも存在感を示している。

「4年後のドラフト1位指名を目指しています。でもまずは、チームの一員として『一部残留』が目標。信頼される立場になり、いずれは、打って投げて勝利に貢献したいです」

 好きな言葉は、ハワイ語で「オハナ」。家族を意味し、プレーできる感謝と、結果で恩返ししたい思いが強いという。自宅では英語で会話をすることが多く「ペラペラです」とニッコリ。4月1日に開幕する東都大学リーグでは、先発での起用が予想されるスーパー1年生。いつも明るい石川ケニーが、亜大のムードを作り出していきそうだ。

文=岡本朋祐 写真=BBM
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