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中田翔が三番、吉川尚輝が五番、坂本勇人が六番…「巨人打線の変革」に期待の声が

 

「攻守で活躍しなければいけない選手」


オープン戦で不振に苦しんでいる坂本


 巨人がオープン戦で、主力打者を従来の固定観念にとらわれない打順でスタメン起用している。

 3月11日のオリックス戦(京セラドーム)で初回、二番に入った丸佳浩が右越え二塁打で好機を作ると、三番の中田翔が先制右越え2ラン。前日に腰の張りで欠場したが、コンディションに問題がないことを示した。中田は昨年のシーズン途中で打撃フォーム改造に踏み切り、確実性が増している。8月上旬に状態が上がらなかった岡本和真に代わり、四番打者をシーズン終了まで務めた。三番でのスタメン出場は一度もなかったが、今年は新たなクリーンアップ三番・中田、四番・岡本のラインアップが実現する可能性がある。

 変革はこれだけではない。一、二番でチャンスメーク役を担うことが多かった吉川尚輝がクリーンアップの五番で起用されるケースが。パンチ力を兼ね備えた吉川はポイントゲッターとしての資質も備えており、決して奇をてらった起用法ではないと言える。そして、六番に入るケースが多いのが坂本勇人だ。昨年は3度戦線離脱するなど、83試合出場で打率.286、5本塁打、33打点。規定打席に到達できず、不本意な結果に終わった。六番でスタメン出場は一度もなく上位で打つ機会が多かっただけに、この打順は新鮮だ。「不動の遊撃」として長年稼働してきたが、レギュラーが完全に保証されているわけではない。ドラフト4位・門脇誠が春季キャンプから攻守でアピールし、高卒3年目の中山礼都も2月途中に一軍合流後、課題の打撃で結果を残している。


 大久保博元打撃チーフコーチは週刊ベースボールのコラムで、「何よりベテラン勢がすごく充実したキャンプを過ごしたと思います。翔(中田翔)や丸(丸佳浩)、チョーさん(長野久義)、マッチ(松田宣浩)もケガなく本当に順調にここまで来ています。ただ一人気がかりなのが、勇人(坂本勇人)です。彼は完璧主義者なところがすごくあって、そこを求めているために苦しんでいる。われわれの期待も大きかったし、求め過ぎたと反省しています。そこは開幕までにうまく調整していこうと思います」と坂本を気に掛けていた。攻守で活躍してもらわなければいけない選手だけに、期待は大きい。

得点力不足解消へ


 オープン戦で、さまざまな組み合わせの打順を試しているのは昨年の反省もあるだろう。チーム本塁打数は、ヤクルトの174本に次ぐリーグ2位の163本。岡本が30本塁打、丸が27本塁打、中田翔、グレゴリー・ポランコ(現ロッテ)が24本塁打、アダム・ウォーカーが23本塁打と5選手が20本塁打を達成した。1シーズンで5人以上が20本塁打をマークしたのは2007年以来15年ぶり球団史上4度目の快挙だったが、もろ手を上げて喜べない。チーム総得点はリーグ3位の548点と、リーグトップのヤクルトの619得点より70点以上少ない。

「一発は出るけど、チーム打率.242はリーグワーストで、つながりを欠いたのが昨年の巨人打線でした。まだテストの段階だと思いますが、丸が二番、中田が三番、岡本が四番、吉川が五番、坂本が六番という並びは、切れ目のない打線の構築という意味では面白いと思います。一番のオコエ瑠偉が打撃好調なので、この並びが実現できる。ポイントは坂本でしょう。走者をためた場面で勝負強さを発揮すれば、得点力が一気に上がる」(スポーツ紙デスク)

 開幕まであと2週間。2023年版の巨人打線がどんなオーダーになるか、楽しみだ。

写真=BBM
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