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2023センバツ

【2023センバツ】新体制で甲子園初勝利を飾った東邦 校長が語る山田祐輔監督の素顔

 

新たな時代へ進む全国屈指の強豪校


2020年4月から母校・東邦高を指揮する山田監督は32歳である。甲子園初さい配。陣頭指揮を執ってベンチを盛り上げた[写真=宮原和也]


【2023センバツ】
3月19日
東邦[愛知]6−3鳥取城北[鳥取]

 東邦高(愛知)は大会最多5度目の優勝を飾った、2019年以来のセンバツである。4年前、紫紺の大優勝旗を手にした森田泰弘監督は20年3月末で勇退。同4月からバトンを受けたのが森田氏の教え子である山田祐輔監督だ。

 山田監督は08年夏、主将・一番・捕手として3年夏に甲子園出場(3回戦進出)。北海高との1回戦では、史上3人目の初球先頭打者本塁打を放っている。立大では1年春から出場し、3年秋に打率.308、4打点をマーク。卒業後は三井不動産レジデンシャルに入社し、3年勤務した。16年4月から愛知東邦大の職員を務めながら東邦高コーチに就任。愛知東邦大で教職単位を取得し18年4月に東邦高の教諭(保健体育)となった。森田総監督がかねてから「後任候補」として期待しており「協調性、犠牲心、強い精神力があり、人一倍、努力する」と明かす、秘蔵っ子だった。

 昨秋の県大会、東海大会を制し、明治神宮大会出場。4年ぶりのセンバツ出場を決め、甲子園初さい配となった鳥取城北高との1回戦で、母校を勝利へと導いた(6対3)。

一塁側アルプス席で声援を送る東邦高・藤本校長は、山田監督の甲子園初勝利を喜んだ[写真=BBM]


 2023年は東邦学園創立100周年。一塁側アルプス席で観戦した藤本紀子校長は山田監督の「素顔」を語ってくれた。

「普段は腰の低い人ですが、スイッチが入ると、茶目っ気たっぷりな面を見せるんです。先日、卒業生を送る会があったんですが、漫才を披露して、その場を和ませていました。かつて、赴任した際の歓迎会でも『裸の大将』のモノマネ。人を喜ばせ、笑わせることが好きなんですね(笑)。人前でも、度胸が据わっている。東邦生の卒業生の良い部分を持っており、熱心で、生徒からも慕われています」

 東邦高野球部のモットーは「応援されるチームになる」。藤本校長は言う。

「練習があり、相当、スケジュールはタイトかと思うんですが、合間を見て、木下(木下達生、元日本ハムほか)副部長と、ほかの部活動の応援にも足を運ぶ。その姿勢は、素晴らしいと思います。志水(和史)部長も明るい。コロナ禍も『ピンチは、チャンス』と前向きに、生徒に寄り添った指導をしています」

 森田前監督とコンビを組み、現場以外のマネジメント分野で尽力した小嶋裕人前部長は昨春で定年退職。昨年4月からは再任用となり、副部長として支援している。小嶋氏はあくまでも、オブザーバーの立場。山田監督を支える志水部長、木下副部長による新体制となった初の甲子園で、見事な船出を飾った。全国屈指の強豪校は新たな時代へと進んでいる。

文=岡本朋祐
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