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侍ジャパン出場辞退の坂本勇人、支配下昇格を果たした梶谷隆幸…正念場迎えた「88年世代」

 

復活をアピールできるか


今季はオープン戦で打撃不振にあえいだ坂本


 WBCで頂点に立った侍ジャパン。出場選手の年齢層がグッと若返った中で、正念場を迎えているのが、プロ野球界を長年牽引してきた1988年生まれの世代だ。金メダルに輝いた2021年の東京五輪では、田中将大(楽天)、坂本勇人(巨人)、柳田悠岐(ソフトバンク)、大野雄大(中日)の4選手が選ばれたが、今回のWBCメンバーは0人。坂本、柳田は打診を受けたが出場辞退を決断した。

 今シーズンにかける思いは強いが、心配なのが坂本だ。オープン戦の打率が.111に終わるなど本来の状態を取り戻せていない。遊撃で開幕スタメンは有力視されているが、ドラフト4位の門脇誠、プロ3年目の中山礼都が攻守でアピールしている状況でレギュラーを確約されているわけではない。昨季は度重なる故障で83試合出場と不完全燃焼に終わった。今年は復活した姿をアピールしたい。

V奪回のキーマン


 育成契約から再スタートを切った梶谷隆幸(巨人)も勝負の年だ。DeNAの主力選手として活躍し、20年オフに4年契約で巨人へFA移籍したが、度重なる故障に泣かされている。昨年は5月に左膝内側半月板の縫合手術を受けたため、一軍出場なしに終わった。背番号「005」で再起を誓う今年は3月5日のイースタン・西武戦(ジャイアンツ)で実戦復帰し、23日には一軍の練習に合流。翌24日に支配下復帰し、26日の楽天とのオープン戦(東京ドーム)ではタイムリーも放った。

 梶谷をインタビュー取材した野球評論家の川口和久氏は週刊ベースボールのコラムで、期待を込めている。

「さぞや悲壮感が漂っているのかと思ったら、明るいし、元気、元気。こんなによくしゃべるんだっけと思ったくらいだ。原辰徳監督からも『おい、カジ。完治したらすぐ一軍に上げるからな』と言われているらしい。キャンプ序盤の取材だったが、『今の状態は80パーセントくらい』と言い、『あとの20パーセントももうすぐだと思います』と力強く話していた。ライトには丸佳浩が回るようなので、センター、レフトを外国人選手と競うことになるはずだ。あまりレフトは経験がないというが、『練習します』と言っていたし、彼の守備力があれば、大きな問題はないだろう。バッティングは勝負強く、左の代打の切り札としても原監督が使いたい選手のはずだ。この1年で結果が出なければクビもあるかもしれない崖っぷちではあるが、万全の状態で復帰すれば、V奪回のキーマンになってくることは間違いない」

大記録が視野に入る田中


日米通算200勝が視野に入る田中


 楽天・田中将もエース復権を目指す。ヤンキースで先発として活躍し、20年オフに楽天に復帰したが、21年が4勝9敗、昨年が9勝12敗と悔しいシーズンが続いている。今年は3月30日の日本ハム戦(エスコンF)で、日米通算6度目の開幕投手を務めることが内定している。日米通算190勝まであと10勝だが、今季中の達成はノルマだろう。

 ソフトバンク・柳田は昨季打率.275、24本塁打、79打点と爆発力を欠いた。チームも2年連続V逸と悔しいシーズンに。主将就任2年目はWBCで大活躍した近藤健介と共にポイントゲッターとして稼働できるか。

 その他の選手も野球人生の分岐点を迎えている。3年連続100試合出場に届かなかった會澤翼(広島)は、坂倉将吾が今年から捕手に固定されることになり厳しい競争に迫られる。メジャーから3年ぶりに復帰した澤村拓一(ロッテ)はセットアッパーだけでなく、抑えを務める可能性が。吉井理人監督の信頼は厚く、強気の投球で投手陣を引っ張る。海の向こうでは、昨年にトミー・ジョン手術を受けた前田健太(ツインズ)が復活を期すシーズンになる。1年以上に及ぶリハビリを経て、躍動感あふれる投球がもう一度見られることをファンは願っている。

写真=BBM
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