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川口和久WEBコラム

開幕から原監督らしい勝算ありの奇襲先発ローテだ。ただ、期待はやはり菅野の少しでも早い復活/川口和久WEBコラム

 

一つのテストプランか



 巨人の開幕投手候補だった菅野智之の二軍スタートが決まった。肘痛らしいが、遠投ができているということは、それほどひどいとは思えない。原辰徳監督がシーズンの先を見据え、決断したことだと思う。

 ただ、原監督は「今年ダメなら」という覚悟は決めている。菅野のためというだけではなく、代わりに試してみたいプランもあっての見切りだと思う。それが新外国人投手を使った、いわば奇襲だ。

 実際、今年はWBCもあって、4月後半までは、どこも投手陣のやり繰りは苦しむと思う。巨人の場合、開幕からの先発の流れは、中日との開幕3連戦がビーディ、グリフィン赤星優志DeNAとの3連戦は、戸郷翔征メンデス横川凱と決まっている……。

 なぜ言い切るのか? それは報知新聞に書いてあったからです(笑)。巨人のコーチ時代から感じていたことだが、系列の報知の巨人情報は、ほぼ間違いない。「これはオフレコかな」と思っていたことが、次の日には一面になることもあったからね。

 巨人の開幕投手が外国人投手だったことは過去、ガルベスグライシンガーマイコラスに続いて4人目らしいが、新外国人投手はない。もっと言えば、この6人のうち、ほかグリフィン、メンデスと新外国人が3人だ。未知数と言えば、未知数である。

 ただ、もともとビーディ、グリフィンのコンビは面白いかなと思っていた。右腕のビーディは変化球投手、左腕のグリフィンは真っすぐのキレで勝負できるタイプだ。バッターには日が変わっても残像がある。タイプの違う右、左の連投は悪くない。

 2人だけの力で言えば、グリフィン、ビーディのほうがいいかなと思った。球速はどちらも150キロ超だが、キレではビーディは物足りない。あくまで春先の状態なので、これから上がっていくのかもしれないが、フルシーズン戦うには、もう少し球のキレがほしいと思う。

 それでも球種が豊富なので初対決での攻略は簡単じゃないはずだ。新外国人となれば情報が少ないし、相手の中日は、オープン戦、打線は悪くなかったが、やはり長打力がない。思い切った投手起用がしやすい相手ではある。そのあとの右腕・赤星も考えての順番だろう。

 メンデスも含め、新外国人投手のオープン戦での好投は、前述のとおり、相手のデータ不足も大きい。外国人枠の問題もあるし、3人全員がシーズンを通し、ローテに定着するとは思えない。

 原監督も、あくまで期間限定プランだと思う。やはり期待というか、やってもらわなくては困るのがWBCで成長した戸郷と、菅野の二本柱だろう。特に菅野だ。智之、お前の復活がなければ巨人のV奪還はないよ!
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