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阪神・森下翔太の株が急上昇 他球団から「大山悠輔、佐藤輝明より厄介な打者」と警戒が

 

変化球にもきっちり対応


ドラフト1位の森下。スラッガーとして能力は高い


 18年ぶりのリーグ優勝を狙う阪神。カギを握るのは打線に尽きるだろう。借金3で3位に終わった昨年はリーグ5位の489得点。チーム防御率2.67はリーグトップだったが、打線が援護できない試合が目立った。

 今年から就任した岡田彰布監督は改革に取り組んだ。守備力強化へ、遊撃の中野拓夢を二塁にコンバート。内外野で複数のポジションを守っていた大山悠輔を一塁、佐藤輝明を三塁に固定した。1つのポジションに専念することで打撃に集中してもらいたい思惑もあっただろう。新外国人のシェルドン・ノイジーが三番、大山を四番、佐藤を五番に据える新クリーンアップ。大山、佐藤は打撃改造に着手してスケールアップを目指した。その中で、オープン戦で最も輝きを放ったのがドラフト1位の森下翔太だった。オープン戦17試合出場で打率.314、3本塁打、8打点。16安打も含めていずれもチームトップの数字だった。

 他球団のスコアラーは警戒を強める。

「変化球にもきっちり対応しているし、飛距離も新人離れしている。佐藤が入ってきたときもすごかったけど、森下のほうがタイミングの取り方がうまく、実戦向きの感じがします。大山、佐藤がオープン戦で本来の状態でなかったのもありますが、今の阪神打線で一番厄介な打者が森下。ローボールヒッターなので高めをうまく使わないと抑え切れない」

 広い甲子園でも軽々とスタンドに運ぶ。3月10日の日本ハム戦。3回無死二塁で好機に生田目翼の低めの直球を豪快に振り抜くと打球は左翼席へ一直線。打った瞬間にアーチと分かる一打だった。持ち味は長打だけではない。4回無死一、二塁では右方向にコンパクトにはじき返して適時二塁打。オープン戦で打率3割を超えるハイアベレージを残したように、確実性が備わっていることを証明している。

指揮官も高評価


 岡田監督は週刊ベースボールのコラムで、森下に対する高い評価を綴っている。
 
「新しい発見、そういう意味ではドラフト1位の森下やね。故障もあって出遅れたけど、一軍に合流させてからの存在感は、さすがドラフト1位やと思う。昨年のドラフト会議。高松商高の浅野(浅野翔吾)君を1位指名に決め、巨人と競合になった。原(原辰徳巨人監督)が先にクジを引き当てていたため、それで森下指名になった。もしあのとき、ウチが浅野君を引き当てていたら……、森下がほかのチームに先に指名されていたら……とか、いろいろなことを考える。そんな中でタイガースに入団した。この縁というのかな、これは大事にしないといけないものよね」

「とにかくバットを振れる。これが森下の最大の長所よ。恵まれた体でバットを振る。これって、できそうでなかなかできないもの。さらにタイミングの取り方もできている。これも見ていたら分かるけど、実戦で打席に入る前から、しっかりと準備している。軸がしっかりしているから遠くに飛ばせて、ボールを見極める力もある。さらに気持ちの強さもあるようだ。ルーキーにあるソワソワ感、そういうものが見受けられない。 だからトラ番に聞かれて、オレのルーキーのときより上や、と言ったもんね」

 岡田監督が早大から6球団競合の末に、阪神にドラフト1位で入団したのが80年。108試合出場で打率.290、18本塁打、54打点の好成績をマークし、新人王を獲得している。森下は打撃3部門でこの数字を超える成績を残せば、十分に合格点をつけられるだろう。開幕は「六番・右翼」でスタメン起用の可能性が高い。ポイントゲッターとしての期待は計り知れない。

写真=BBM
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