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川口和久WEBコラム

開幕戦に感じた巨人の不安。大勢不在はWBCの後遺症なのか?/川口和久WEBコラム

 

WBC球との違いに苦しんでいるのか


好投した船迫大雅


「きょうはマウンドに上げる状況ではなかったということですね」

 試合後、巨人原辰徳監督の言葉だ。「きょう」という言葉があることで安心すべきかもしれないが、もしかしたら時間がかかるのかもしれない。

 3月31日の中日戦(東京ドーム)、球威に物足りなさがある先発のビーディが3回までに2失点をしたが、巨人が8回裏に逆転し、3対2で9回表、中日の攻撃を迎えた。

 本来ならここはWBCでも活躍した大勢が抑え、最高の開幕スタートを切るところだったが、ロペスから始まり、3投手で4失点と逆転を許し、そのまま敗戦となった。

 大勢の状態は分からないが、故障でないならWBC球からの変更に戸惑っているのかもしれない。日本のしっとりした球と比べ、WBC球は滑るから必然的にピッチャーはリリースで日本球の数倍の力を使う。

 実際、WBCを見ていると、リリースだけではなく、テークバックから力が入り、よく言えば、日本での投球以上に力感があるピッチャーが多かった。それだけ滑らないことへ神経を使ったのだろう。

 開幕戦では阪神湯浅京己もちょっとアジャストに苦しんでいる感があった。もちろん、すぐに慣れるとは思うが、原さんの意味深な言い方もあって、大勢に関しては不安が残る。

 大勢がしばらく戻らないとしたら誰を抑えに置くか。今回のロペスはエラー絡みだったので、選択肢にはあると思うが、この試合で3連続奪三振の船迫大雅も面白いと思った。新しい選手の活躍はチームに勢いを呼ぶからね。

 いずれにせよ、先発の菅野智之に続き、抑えの大勢が不在となれば、巨人のスタートダッシュはかなり難しくなってくる。

 きょう(4月1日)の試合で、大勢が元気に投げてくれたら、まったく問題はないんだけどね。
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