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中日・根尾昂が先発から救援に配置転換? ロドリゲス亡命報道で「リリーフ再編」へ

 

「8回の男」が“離脱”


投手転向2年目を迎えている根尾


 最下位からの巻き返しを狙う中日は、想定外の手痛いアクシデントが続いた中で開幕を迎えた。

 オープン戦で打率.333と活躍し、二塁の開幕スタメンが確実視されていたドラフト6位の田中幹也が3月19日の楽天戦(バンテリン)で5回に四球で出塁すると、牽制球で帰塁した際に右肩を痛めて負傷交代。29日に佐賀県内の病院で検査を受けたところ、「右肩鏡視下バンカート修復術」と診断された。昨オフに中心選手だった阿部寿樹をトレードで放出。二塁のレギュラーは白紙の状態で新人たちが競っていたが、ドラフト2位の村松開人が古傷の右膝の状態が芳しくないため、ファームでリハビリ組に。田中も長期離脱となった。

 さらに衝撃だったのが、セットアッパーで計算していたジャリエル・ロドリゲスの亡命報道だ。ロドリゲスはキューバ代表でWBCに出場。29日に来日することになっていたが、搭乗予定だった便に乗っていなかったことが判明した。球団はコンタクトが取れない状況が続いており、アメリカでメジャー挑戦を目指すという報道も。「8回の男」として勝利の方程式に組み込んでいただけに、立浪和義監督も頭が痛いだろう。

 昨季は56試合登板で6勝2敗、39ホールド、防御率1.15で最優秀中継ぎのタイトルを獲得。最速161キロの直球に縦に鋭く落ちるスライダーのコンビネーションで三振奪取能力が高い。2020年に育成契約で中日に入団すると、同年8月に支配下昇格。先発として投げていたが、昨年に救援に配置転換されたことで素質が開花した。

投手陣に残る不安


 投手陣が生命線のチームだが、不安が残る。今年から本格的にサイドスローに転向した左腕・岡田俊哉が2月2日の練習試合・楽天戦(北谷)で、6回一死にエスタミー・ウレーニャに初球を投じた際に転倒。自力で動けずグラウンドに入った救急車で病院に搬送された。「右大腿骨骨折」と診断を受け、長期離脱が避けられない状況に。藤嶋健人も3月9日のオープン戦・西武戦(ベルーナ)で、6回に西川愛也の一塁方向へのゴロを追いかけて捕球を試みた際に転倒して負傷交代。名古屋市内の病院で右太もも裏の肉離れと診断され、春先の復帰は絶望的な状況だ。

 中日を取材するスポーツ紙記者は、「ロドリゲス、藤嶋の不在は痛い。岡田もサイドにして好投を続けていただけにつらいですね。右腕は勝野昌慶清水達也祖父江大輔山本拓実田島慎二鈴木博志が救援で開幕一軍入りしているが、強い直球が投げられる投手が1枚も2枚も欲しい。緊急事態なので、今年から先発転向した根尾昂を再び救援で起用する可能性があると思います」と分析する。

ウエスタンで無失点投球


 昨年のシーズン途中に投手転向した根尾は150キロを超える直球を武器に、相手打者をねじ伏せていた。25試合登板で防御率3.41は十分に合格点を与えられるが、追い求める理想は高い。週刊ベースボールの記事で、「なかなか良い投球は少なくて、もちろん良い部分はあったが、疲れてきて自分の技術不足を痛感したり、多くの課題が見つかった1年でした。技術と体力が備わっていれば1年間波の少ないパフォーマンスができると思いますが、まだまだ技術も体力も、より磨いていかないといけないと感じました。疲れてきて投げるボールが落ちたりっていうのはまだまだなのかなと思います」と反省を口にしていた。

 将来を見据えて今年から先発に転向。2月の春季キャンプはファームスタートでなかなか状態が上がってこなかったが、ウエスタン・リーグ開幕後は5試合に登板し、いずれも1回無失点と安定した投球を続けている。従来の予定どおり先発で育てる方針を貫くか、チームの危機的状況で再び救援に回るか。根尾の起用法が注目される。

写真=BBM
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