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DeNAが開幕戦3連敗も…俊足巧打のルーキーに「新人王のダークホース」の期待が

 

オープン戦で好成績


今季、ドラフト3位でDeNAに入団した林


 DeNAのドラフト3位・林琢真が遊撃のレギュラーを虎視眈々と狙っている。

 遊撃は4年目を迎えた身体能力が抜群の森敬斗中日から昨オフにトレードで加入した京田陽太、堅守と勝負強い打撃が光るベテランの大和、巧みなグラブさばきに定評がある柴田竜拓とライバルがひしめいていた。林は駒大のときに主に二塁を守っていたため、WBCに牧秀悟が招集されている期間は二塁での起用が多かったが、出場機会のチャンスを守るために、春季キャンプ中から大学1年秋以来の遊撃を守ったほか、オープン戦では中堅や高校時代以来の三塁など複数のポジションを守れることをアピールしていた。

 オープン戦に17試合出場で打率.296、4盗塁の好成績をマーク。打席の内容もいい。3月18日のソフトバンク戦(PayPayドーム)では2点リードの8回二死満塁で、球界を代表するセットアッパーの又吉克樹に食らいつく。2ストライクからファウルで粘った末、9球目のカットボールを振り抜いて右前適時打。初対戦の投手でも臆さず、対応能力の高さを見せた。50メートル5秒7の俊足も、大きな武器になるだろう。昨季のチーム総盗塁数はリーグ5位の49。2ケタ盗塁をマークしたのは13盗塁の桑原将志のみだった。2ストライクと追い込まれてもファウルで粘れ、選球眼も良い。チャンスメーク役で一、二番を担う可能性は十分にある。

「数少ないチャンスを手にした」


 昨年12月に東邦高校主催で「林琢真入団を祝う会」が開かれた際、高校3年間、監督として指導した東邦高・森田泰弘総監督は以下のようにあいさつしていた。

「先日、東京での結婚式で同席させていただいた中央学院大・菅原悦郎監督が開口一番『林って良い男ですね! 素晴らしい男ですね!』と言われたんです。菅原監督は林が出場した今年夏の大学日本代表(ハーレームベースボールウイーク2022、オランダ)の団長をされていて、毎朝、早起きをして、集合時間の30分前には選手たちのコンディションを見ていたそうです。そこで、林は菅原監督よりも前に集合場所にいて、バットを振っていたそうです。聞けば、1時間前にはいた、と。こんな選手見たことない、と。林はプロに行きたくて、今年がラストチャンスでした。常日ごろから人よりも早く動き、人よりも残って練習。数少ないチャンスを手にしたわけです」

戦いはまだ始まったばかり


 たゆまぬ努力でプロ入りの夢を叶えたが、入団したことで満足しない。春季キャンプで一軍スタートを切り、オープン戦であらゆる打順、さまざまなポジションで起用されて三浦大輔監督の期待に応え、信頼を高めた。球団の新人で開幕一軍の切符を唯一勝ち取り、開幕戦の阪神戦(京セラドーム)に「二番・三塁」でスタメン出場。3打数無安打に終わったが、戦いはまだ始まったばかりだ。

 スポーツ紙デスクは、「阪神でポイントゲッターとして期待される森下翔太ヤクルトで先発ローテーション入りした吉村貢司郎が新人王の有力候補という見方が多いですが、林も試合に出続ければ、タイトル争いでダークホースになる可能性があります」と期待を込める。

 DeNAの最後の新人王は18年の東克樹。野手は00年の金城龍彦(現巨人三軍外野守備兼走塁コーチ)までさかのぼる。昨年の2位のDeNAは阪神との開幕カードで3連敗を喫した。林はチームに不可欠なピースになれるか。

写真=BBM}
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