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首都大学リポート

3度目のリーグ制覇を狙う桜美林大 新監督に初勝利をプレゼントした副主将・揚野公匠【首都大学リポート】

 

今季から背番号1に変更


桜美林大の副主将・揚野は最上級生としての自覚が増している


【4月2日】一部リーグ戦
桜美林大4-3武蔵大
(1勝1敗)

 首都大学リーグ第1週2日目。桜美林大が武蔵大を破り、今季初勝利。この試合で先制打を放ち、4月から指揮を執る32歳の藤原悠太郎新監督にリーグ戦初勝利をプレゼントしたのが、揚野公匠(4年・二松学舎大付高)だ。

「1回戦は、勝てた試合をミスで落としましたが、今日は接戦をモノにする自分たちらしい試合ができました。勝ち切ることができたのは大きいと思います」

 揚野は二松学舎大付高時代に18年夏の甲子園に出場。桜美林大では1年時にリーグ戦デビュー。2年春のシーズンでは主力メンバーの一人として優勝に貢献した。

 その後、チームは3季連続で5位と低迷したが、昨春は打率.300、5打点。秋もチームトップの4打点と気を吐いた。活躍が認められ、今春から背番号1に変更。

「最初はあまり気にしていなかったのですが、試合になると重みを感じます。チームメートから『頼むぞ』と声を掛けられることが増えました」

 チームでは副主将に就任した。

「三塁コーチに出ている藤原監督の代わりに、キャプテンの森田拓斗(4年・真颯館高)がベンチでいろいろとやってくれているので、自分はゲームリーダーとして内野と外野のつなぎ役に徹し、コミュニケーションを取りあうことでチームの意識を一つにするようにしています」

 藤原監督も「揚野は一軍の練習が終わったあともグラウンドに残って二軍の練習に参加しています。ですから二軍の選手とも仲が良いですし、主将の森田とともに、よくチームをまとめてくれていると思います」と話す。

気持ちも乗せた一打


 迎えた開幕カードは武蔵大1回戦で先勝を許したものの「前日は敗れてしまったのですが、4月1日だったのでメンバーは『あれはエイプリルフールだから』と言って、ポジティブな声掛けをしていました」とムードが落ちることはなかった。

 2回戦は両チームともに4回までは無得点。この重たい雰囲気を打ち破ったのが揚野だ。5回表、二死一、二塁から打席に立つとツーシームをレフトへ運ぶ先制のタイムリー。「前の打者の長嶋悠人(4年・千葉明徳高)から『任せた』と声を掛けられ、『やるしかない』と思っていました」と気持ちも乗せた一打だった。

 その後は武蔵大の追撃を必死の継投で振り切り4対3で快勝。監督として記念となる初勝利を挙げた藤原監督は「選手やスタンドから声を掛けてもらい、地に足を付けて采配することができました。選手さまさまです」と感謝の言葉を述べた。

 また、揚野に対しては「派手さはありませんが試合で活躍できる技量を持った選手。信頼して五番に置いていますがよく打ってくれました」と賛辞を贈った。今春の桜美林大の打順は選手たちで決めたものが元になっており、二番には昨年まで四番を打っていた岡野優翔(4年・常総学院高)が入っている。揚野は七番だったが、藤原監督の意向で昨年から慣れ親しんだ五番に打順を上げており、まさに期待に応える決勝打だったと言える。

 2年前に優勝したシーズンと比べ「あの時は試合をしながらチームが成長していったのですが、今年も同じような雰囲気を感じています」と揚野。栄光の再現を目指し、桜美林大として3度目のリーグ制覇を狙う。

文=大平明 写真=BBM
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