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プロ野球もしもオーダー

イチロー、松井稼頭央、松井秀喜……もし第2回WBCが10年前に開催されていたら?【プロ野球もしもオーダー】

 

1999年のベストナインから


1999年は6年連続首位打者に輝いたイチロー


 第2回WBCで連覇を達成した侍ジャパン。この完全に定着した愛称は、このときからのものだ。ドラマを呼んだのはイチロー(マリナーズ)の不振。ただ、これは決勝をドラマチックに演出する伏線だったのかもしれない。決勝戦で激突したのはライバルの韓国。試合は延長戦に突入したが、10回表にイチローが決勝の2点適時打。最後を締めたのは、この第5回は最年長としてチームを支えているダルビッシュ有(日本ハム。現パドレス)だった。やはり第2回の名勝負で筆頭となるのは、この決勝戦だろう。

 前回は、第1回WBCが20年前に開催されたら、という「もしも」を考察してみた。今回は第2回が10年前、1999年に開催された大会だったら、という夢を紡いでみよう。時計の針が20年も巻き戻ってしまうと、さすがに顔ぶれは完全に変わる。これが半分の10年だと、結論からいえば同じ顔ぶれも並んでいるのだが、とはいえ、それぞれの所属が異なる。のちにメジャーで活躍する選手たちも、まだNPB各チームに所属しており、まだイチローもメジャー経験がなかった時代だ。特に第1回WBCの出場を辞退した松井秀喜(ヤンキース)は巨人の四番打者に近づきつつあった時期。その巨人を率いていたのが長嶋茂雄監督であり、もし99年の大会であれば、侍ジャパンを長嶋監督が率いた風景もあっただろう。

 作業は前回と同様、第2回WBC決勝戦の先発メンバーに、99年のベストナインから守備位置を変えず機械的に選手をスライド。守備位置が重なった場合は、99年の成績を考慮する。すると、以下のようなラインアップが完成した。ちなみに実際の99年はセ・リーグでは上原浩治(巨人)、パ・リーグでは松坂大輔(西武)と、新人の投手が抜群のインパクトを残したシーズン。九州で再起を懸けたダイエーが初のリーグ優勝、日本シリーズで中日を破って日本一にも輝いている。

1(右)イチロー(オリックス)
2(遊)松井稼頭央(西武)
3(中)松井秀喜(巨人)
4(捕)城島健司(ダイエー)
5(一)小笠原道大(日本ハム)
6(左)谷佳知(オリックス)
7(指)吉永幸一郎(ダイエー)
8(二)金子誠(日本ハム)
9(三)中村紀洋(近鉄)
 (投)上原浩治(巨人)

実際のオーダーは?


 一番のイチロー、四番の城島健司、五番の小笠原道大が実際の先発オーダーと変わらず。ただ、2009年はイチローと城島がマリナーズ、小笠原は巨人でプレーしていた。イチローの右翼をバックアップするのが高橋由伸(巨人)、城島の捕手には古田敦也(ヤクルト)と、控えも強力だ。続く二番には松井稼頭央。遊撃には石井琢朗(横浜、現在のDeNA)が控える。三番が松井秀喜だ。その中堅の控えは関川浩一(中日)、谷佳知(オリックス)。小笠原の一塁はセ・リーグのベストナインがロベルト・ペタジーニ(ヤクルト)、ベストナイン外野手で左翼手がタフィ・ローズ(近鉄)のみで、パ・リーグのみの指名打者がフィル・クラーク(近鉄)、二塁はセ・リーグがロバート・ローズ(横浜)で、三塁がレオ・ゴメス(中日)と助っ人だったため、今回は巨人で左翼のベストオーダーに並んだことのある谷を六番に、指名打者は日本一チームのダイエーから吉永幸一郎を引っ張ってきて七番に入れた。

 ベストナインには選ばれていないが、日本一のダイエーには一塁に松中信彦、三塁に小久保裕紀もいる。八番の二塁手は実際の09年が打率キャリアハイだった金子誠だ。三塁が長距離砲の中村紀洋。戦略的にはクリーンアップ候補だろう。投手は上原と松坂の二枚看板に、セ・リーグMVPで左腕の野口茂樹(中日)もいる。実際の第2回メンバーと同様、頂点をうかがえるラインアップだ。では、続きはファンの皆様の夢の中で。

(第2回WBC決勝の先発オーダー)
1(右)イチロー(マリナーズ)
2(遊)中島裕之(西武)
3(中)青木宣親(ヤクルト)
4(捕)城島健司(マリナーズ)
5(一)小笠原道大(巨人)
6(左)内川聖一(横浜)
7(指)栗原健太(広島)
8(二)岩村明憲(レイズ)
9(三)片岡易之(西武)
 (投)岩隈久志(楽天)

文=犬企画マンホール 写真=BBM
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