控えも圧倒的な破壊力
第5回WBCの侍ジャパンで、陽気なキャラクターもあって注目を集めたのが日系人の
ラーズ・ヌートバー(カージナルス)。早くも夢が加速して、もしヌートバーがNPBでプレーしたら……などと考えてしまうファンも少なくない気がする。古い時代には日系人の選手がプロ野球を支え、引っ張っていた。その後は日系人の選手こそ減っていったが、アメリカを中心に外国人の選手たちが歴史を彩るようになっていく。多くの選手は在籍が短かったものの、それでも残したインパクトは絶大だった。
そんな選手たちがドリームチームを構成したら、どんなラインアップになるだろうか。NPBの助っ人、中でも打者に求められがちなのは破壊力、つまり本塁打だ。他の追随を許さない重量打線になるかもしれない。今回は、本塁打を優先に、通算成績で上位の選手から順にピックアップ。ベースとなるベストオーダーは現役時代からメジャー・リーグの大ファンだった
長嶋茂雄監督の
巨人、それも
王貞治監督の率いるダイエー(現在の
ソフトバンク)を“ONシリーズ”といわれた日本シリーズで破って日本一に輝いた2000年の巨人だ。
作業は従来と同様。ピックアップした選手を、過去の各チームにおけるベストオーダーにおける守備位置を変えずに、巨人2000年のベストオーダーに入れていく。つまり、巨人2000年の守備位置どおりに打順が並んでいく形だ。
1(二)
ボビー・マルカーノ 2(左)
アレックス・ラミレス 3(三)
ジョン・シピン 4(中)
タフィ・ローズ 5(一)
アレックス・カブレラ 6(右)
ウラディミール・バレンティン 7(遊)
バート・シャーリー 8(捕)
バッキー・ハリス 9(投)
ヴィクトル・スタルヒン 外国人の選手で通算本塁打トップとなる464本塁打を残したタフィ・ローズ(近鉄ほか)が四番打者。左翼の印象も強いが、守備位置は巨人に在籍した04、05年のものだ。これで2位380本塁打のアレックス・ラミレス(
DeNAほか)が左翼手に入り、4位301本塁打のウラディミール・バレンティン(
ヤクルトほか)が右翼。外野には5位283本塁打の
レロン・リー(
ロッテ)、8位259本塁打の
ラルフ・ブライアント(近鉄ほか)らが控えている。
実際の巨人2000年ベストオーダーは?
3位357本塁打のアレックス・カブレラ(
西武ほか)が一塁に入り、1984年の三冠王で6位277本塁打のブーマー・ウェルズ(阪急、現在の
オリックスほか)が控えに。一塁は10位240本塁打の
タイロン・ウッズ(
中日ほか)、11位233本塁打の
ロベルト・ペタジーニ(ヤクルトほか)、三冠王2度の
ランディ・バース(
阪神)ら長距離砲ぞろいだ。二塁は11位232本塁打のボビー・マルカーノ(阪急ほか)でリードオフマン。三塁手は守備の名手でもある12位218本塁打のジョン・シピン(大洋ほか)にしたが、一塁と三塁でベストオーダーに並んだこともある一塁手で7位268本塁打の
レオン・リー(ロッテほか)、16年の本塁打王だった14位213本塁打の
ブランドン・レアード(
日本ハム)もいる。
遊撃手は絶対数が少ない。ここでは初代ダイヤモンド・グラブ(現在のゴールデン・グラブ)のバート・シャーリー(中日)を置いたが、
アンディ・シーツ(
広島ほか)も捨てがたい。捕手はバッキー・ハリス(名古屋、現在の中日)の独壇場。投手については通算勝利を基準に、日本で育った通算303勝のヴィクトル・スタルヒン(巨人ほか)を入れてみた。
破壊力は抜群の布陣だ。では、続きはファンの皆様の夢の中で。なお、実際の巨人2000年も、三番から
江藤智、
松井秀喜、
ドミンゴ・マルティネス、
高橋由伸と並ぶクリーンアップは強力だった。
(巨人2000年のベストオーダー)
1(二)
仁志敏久 2(左)
清水隆行 3(三)江藤智
4(中)松井秀喜
5(一)
マルティネス 6(右)高橋由伸
7(遊)
二岡智宏 8(捕)
村田真一 9(投)
ダレル・メイ 文=犬企画マンホール 写真=BBM