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巨人・門脇誠の身体能力はピカ一 「スタメンで起用し続けるべき」の声が

 

キャンプから高評価


巨人のドラフト4位ルーキー・門脇


 巨人で熾烈なポジション争いが注目されるのが、遊撃だ。

 坂本勇人が攻守の要として高卒2年目の2008年以来15年間にわたって守り続けてきたが、今年は不動のレギュラーとは言えない。オープン戦14試合出場で36打数4安打、打率.111と状態が上がらず、長打も二塁打1本のみ。開幕以降も19打席連続無安打と快音が聞かれない。4月5日の開幕5戦目・DeNA戦(横浜)では今季初のスタメン落ち。代わって「八番・遊撃」でスタメン出場したのが、ドラフト4位の門脇誠だった。

 身長171センチと小柄ながら豪快なフルスイングが持ち味で、吉田正尚(レッドソックス)を彷彿とさせる。俊足強肩でも知られ、一軍スタートなった春季キャンプから首脳陣の評価を高めていた。

元ヘッドコーチも絶賛


 野球評論家の伊原春樹氏は門脇を高く評価した上で、週刊ベースボールのコラムでこう綴っている。

「坂本の後継者不足に悩まされてきた巨人。だが、それを解消してくれそうな存在が表れた。ドラフト4位の門脇誠だ。遊撃守備では軽快なフットワークと強肩を見せ、打撃でも長打力と広角に打球を打ち分ける。171センチと体格に恵まれているわけではないが、ガッチリとした体格で実戦向きだ。2月23日のヤクルトとのオープン戦(浦添)では九番・遊撃でスタメン出場。3回には無死一塁で初球の143キロ直球を積極的に振り抜き、右越えの適時二塁打。4回にもカウント2-2から外角低めのスライダーをうまく拾って右前打をマーク。対応力の高さを見せた」

「門脇は創価高1年から大学4年まで公式戦116試合、999イニングにフル出場を果たしたという。厳しい練習に音を上げずに取り組む姿勢から原辰徳は『ストロング門脇』と命名した。2006年の第二次原政権で巨人は4位に終わり、私は原監督に『あちこち痛いと言うような弱い選手はもういらない。強い選手をつくっていきたいのです。手伝っていただけないでしょうか』と言われ翌年からヘッドコーチとなったが、頑丈な選手は指揮官好みでもある。門脇がチームに新風を吹き込むことができるか楽しみだ」

熾烈な正遊撃手争い


 プロ初のスタメン出場となったDeNA戦。2回二死一塁の1打席目で、平良拳太郎の直球を三塁線に弾き返す二塁打。プロ初安打で強烈に存在をアピールした。ただ、反省点も。5回無死一塁の場面では一飛、7回無死一、二塁の好機では2ボールから入江大生の151キロ直球に反応したが左飛に倒れた。最低でも走者を進めたかった場面だっただけに、門脇の表情にも悔しさがにじみ出ていた。チームも零封負けを喫し、翌6日の同戦は坂本が遊撃でスタメン出場。門脇は二塁で途中出場したが、9回の打席で三飛に倒れた。

 スポーツ紙記者は「若手はスタメンで起用し続けなければ、育たない部分もある。坂本という大きな柱がいるが、門脇をどう育てるかもチームの今後を考えたときに大きなポイントになります。ミスが出たりすると思いますが、スタメンで使い続ける価値がある選手だと思います」と評する。

 坂本、門脇だけではない。7日の広島戦(マツダ広島)は、中山礼都が今季初めて「一番・遊撃」でスタメン出場してマルチ安打の活躍。8日の同戦では坂本が7回に今季初安打となる1号中越えソロを放つなど、マルチ安打と復調の兆しを見せた。遊撃の熾烈な定位置争いはしばらく続きそうだ。

写真=BBM
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