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「まだ100点じゃない」と高津臣吾監督は語るも負けない試合巧者のヤクルト

 

緻密さ光る全員野球


球団初の開幕5連勝はうち4試合が完封勝利。WBC世界一も経験した正捕手・中村の存在感が際だつ


 リーグ3連覇へヤクルトが最高の出だしを切った。神宮球場での広島との開幕カードを3連勝すると、続く中日には2勝1敗でカード勝ち越し。4月7日からの阪神3連戦は1勝1敗1分けと互いに譲らなかったが、2位・阪神との差は0.5ゲーム差のまま変わらず、首位の座を明け渡さなかった。

 球団初の開幕5連勝も記録した好調の要因は、なにより投手陣の奮闘だろう。昨オフにマクガフ(現ダイヤモンドバックス)が退団し、再編成を余儀なくされたリリーフ陣は、開幕9試合で10投手が登板して36回1/3を無失点。新クローザーの田口麗斗もすでに4セーブを挙げるなど相手打線に反撃の隙を与えない。先発投手陣も安定感が光り、チーム防御率はリーグ1位の0.77と圧倒的な数字を残している。

 その好調投手陣を支えているのが正捕手・中村悠平だ。9日の阪神戦(甲子園)では9安打を許しながらも再三ピンチをしのぎ1失点(結果は引き分け)。同日時点で7試合で先発マスクをかぶり完封勝利が4度、大胆なリードも冴え、これ以上ない活躍を見せている。

 好スタートを切ったが、「まだ100点じゃない」と高津臣吾監督は語る。チーム打率はリーグ唯一の1割台と低調。離脱者も続出中だ。しかし、苦しい状況もキャンプから注力した緻密なプレーが攻守で光り、指揮官が掲げる「ローゲームをモノにする野球」を選手は体現。犠打、盗塁を絡め着実に加点する試合巧者ぶりが際立つ。隙のない野球に、強力打線が復活すれば、早くもペナント争いを抜け出すことになるだろう。

写真=BBM
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