昨年も多かった巨人の外国人先発
今季の巨人の開幕投手は新外国人のビーディが指名された。エースの
菅野智之は故障のため開幕一軍はならず、昨年12勝をマークした
戸郷翔征もWBC出場のために開幕戦の登板を控える形となった。
巨人は2戦目からの先発も
グリフィン、
赤星優志、戸郷、
メンデス、
横川凱のローテーションを組んだが、6人中3人が新外国人投手という、異例の先発陣となった。巨人は昨年も143試合中、43試合が外国人の先発投手(
C.C.メルセデス20、
シューメーカー18、
アンドリース5)だったが、今季はもっと増える可能性もある。
外国人投手が増え始めたのは1990年代からで近年は当たり前。シーズンで外国人投手の先発起用が多いのは次のとおり(カッコ内はチーム順位)。
中 日 2011年 66(優勝)
マキシモ・ネルソン31
チェン・ウェイン24
エンジェルベルト・ソト11
横 浜 2009年 63(6位)
ライアン・グリン23
ウォーランド21
マストニー12
ランドルフ7
オリックス 2005年 62(4位)
ジェレミー・パウエル28、
ケビン・バーン20、
ジョッシュ・スチュワート7、
ホセ・パーラ7
阪 神 1965年 58(3位)
ジーン・バッキー30
バーンサイド28
阪 神 1964年 57(優勝)
ジーン・バッキー38 バーンサイド19
近 鉄 2003年 55(3位)
ジェレミー・パウエル28 ケビン・バーン20
ネリオ・ロドリゲス7
巨 人 2009年 55(優勝)
グライシンガー25
ディッキー・ゴンザレス23
ウィルフィン・オビスポ7
阪 神 2013年 55(2位)
メッセンジャー29
スタンリッジ26
ヤクルト 2018年 55(2位)
デビッド・ブキャナン28
デーブ・ハフ14
カラシティー13
横 浜 2004年 54(6位)
スコット・マレン28
セドリック16
ピート・ウォーカー10
巨 人 2006年 54(4位)
ジェレミー・パウエル28
グローバー18
姜建銘8
阪 神 2012年 54(5位)
メッセンジャー29 スタンリッジ25
横 浜 2002年 53(6位)
バワーズ21
クリス・ホルト17
ドミンゴ・グスマン13
J.ターマン2
阪 神 2001年 52(6位)
バディ・カーライル26
グレッグ・ハンセル26
日本ハム 2011年 52(2位)
ブライアン・ウルフ26
ケッペル26
阪 神 2011年 52(4位)
スタンリッジ25 メッセンジャー25
鄭凱文2
2000年以降のチームが上位
2011年、リーグ最多の31試合に先発した中日・ネルソン
もっとも多かったのが、2011年の中日で66試合。ネルソンがリーグトップの31試合に先発して10勝14敗、チェンは8勝10敗、ソトが5勝1敗の計23勝25敗と負け越したものの、チームは後半戦でヤクルトを大逆転し、チーム初のリーグ連覇を果たした年だった。
ほとんどが2000年以降のチームが上位を占めているが、異色が1964〜65年の
阪神。この当時は外国人登録は3人までと制限があり、ほとんどの球団が野手中心に獲得していた時代だった。そんな中、阪神は1962年のシーズン中にメジャー経験のなかったバッキーをテスト入団させ、1964年には29勝を挙げる大活躍でリーグ優勝に貢献した。
巨人は2009年に優勝したときにチーム最多の55試合に外国人投手が登板。ヤクルトから移籍し2年目のグライシンガーが13勝6敗。
ゴンザレスが15勝2敗と2人で28勝8敗の好成績。ゴンザレスもヤクルトから移籍1年目だった。もう一人のオビスポは2007年に育成選手として契約し、その年に支配下登録され、2009年は自己最多の6勝(1敗)をマークしている。
今年は開幕後、3人の新外国人が先発ローテ入りした巨人。チームのカギを握る戦力となりそうだ。
文=永山智浩 写真=BBM