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プロ野球もしもオーダー

張本勲、清原和博、金本知憲…原辰徳監督の率いる2002年の巨人に“打点王”が集うと?【プロ野球もしもオーダー】

 

本塁打王ではない“打点王”たち


歴代5位の1564打点をマークしている清原[写真は西武時代]


 当たり前のことだが、野球は点数を稼ぐスポーツ。本塁を踏めば得点となり、走者を本塁へ導く適時打を放てば打点となる。チームにとっては同じ1点だ。ソロ本塁打は自らに得点と打点がつくし、本塁打は1打のみで効率よく点を挙げるものだが、本塁打に頼らず、走者がいるときに抜群の勝負強さを発揮して打点を荒稼ぎする好打者も少なくない。打点とは、その打者の勝負強さを最も分かりやすく示す数字といっていいだろう。

 今回は、2022年シーズン終了までの通算打点に注目してみた。勝負強い男たちでオーダーを組んだとしたら、どのようなラインアップになるだろうか。前述したように打点を稼ぐうえで効率的なのは本塁打で、歴代の本塁打王がズラリと並ぶ。通算打点のトップは通算本塁打トップの王貞治(巨人)で、2位の野村克也(南海、現在のソフトバンクほか)、3位の門田博光(南海ほか)と、ここまでは通算本塁打ランキングと同じ顔ぶれ。これでは長距離砲を集めたオーダーと大きく変わらなくなってしまう。よって、今回はシーズン本塁打王の経験がある打者は除外して、通算打点の多い順にオーダーを形成してみたい。ただし、打点王のタイトルを獲得しているかどうかは問わないようにする。タイトルには時の運という要素もあるので、無冠ながらも勝負強さではタイトルホルダーに負けていない好打者を選抜するためだ。

 この条件に合った選手で、監督としてチームを優勝、日本一に導いた最上位にいるのは、第2回WBCの指揮官であり、迎えた23年も巨人を率いる原辰徳。現役時代は巨人の四番として「勝負弱い」などと批判もあった原だが、本塁打で稼ぐ面もあったものの、1983年に打点王、通算打点で34位と、勝負強い好打者だった。監督としても就任1年目の02年からリーグ優勝、日本シリーズでは西武に無傷の4連勝で日本一。このときのベストオーダーに通算“打点王”たちを、守備位置を参考に入れていくと、以下のようになる。

1(左)張本勲(東映ほか)
2(遊)福留孝介(中日ほか)
3(右)前田智徳(広島)
4(中)金本知憲(阪神ほか)
5(一)清原和博(西武ほか)
6(三)衣笠祥雄(広島)
7(二)立浪和義(中日)
8(捕)阿部慎之助(巨人)
9(投)西沢道夫(中日ほか)

実際のベストオーダーは?


歴代1位の3085安打をマークしている張本は同4位の1676打点をマークしている[写真は日本ハム時代]


 本塁打王のタイトルこそないものの、長打力を兼ね備えたヒットメーカーたちが並んだ。リードオフマンは張本勲。プロ野球トップとして残る3085安打の印象が強いが、通算319盗塁と斬り込み隊長としても適任といえる。続く二番は遊撃手の福留孝介で、二遊間を形成するのは七番の立浪和義と、中日99年Vイヤーと同じ。三番は右翼の前田智徳、四番は左翼が多いものの広島で00年に多かった中堅で金本知憲、五番が不動の一塁手で無冠の帝王というべき清原和博で、戦力的に打順を考えると清原が四番になりそうだ。一塁は加藤秀司(英司。阪急、現在のオリックスほか)、松原誠(大洋、現在のDeNAほか)と控えも盤石。

 一塁と三塁で過去に各チームのベストオーダーに並んだことがあるのが衣笠祥雄と小笠原道大(日本ハムほか)で、通算打点で上回る衣笠が三塁で六番に入り、小笠原がバックアップする。捕手は実際のベストオーダーと同じく阿部慎之助だ。巨人はセ・リーグなので、どうしても投手を打線に入れなければならない。現役の“二刀流”大谷翔平(エンゼルス)でもいいが、投手として通算60勝を残し、のちに打者としてシーズン歴代9位タイの135打点をマークした西沢道夫を入れてみた。

 奇しくも、セ・リーグ経験者ばかりの先発メンバーとなった今回。一方、実際の巨人02年メンバーも、まさに日本一チームといえる強力な布陣だ。では、続きはファンの皆様の夢の中で。

(巨人2002年のベストオーダー)
1(左)清水隆行
2(遊)二岡智宏
3(右)高橋由伸
4(中)松井秀喜
5(一)斉藤宜之
6(三)江藤智
7(二)仁志敏久
8(捕)阿部慎之助
9(投)上原浩治

文=犬企画マンホール 写真=BBM
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