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巨人・丸佳浩がレギュラー剥奪危機も…他球団「必ず爆発する」と警戒の声が 

 

調子の上がらない打撃


4月16日現在、打率.154と苦しむ丸


 巨人が苦しんでいる。4月16日の中日戦(バンテリン)で5対7と敗れ、リーグ最速の10敗に。借金5で最下位に転落した。坂本勇人吉川尚輝が打撃不振でスタメン落ちを経験し、二遊間が流動的になっている。この選手の状態が上がってこないのも、大きな誤算だろう。中軸として期待されていた丸佳浩だ。

 広島からFA移籍1年目の2019年からコンスタントに結果を残してきた。昨年は坂本がたび重なる故障で81試合出場に終わり、主砲の岡本和真も打撃不振で四番を外れた中、チームで唯一の全143試合出場。打率.272、27本塁打、65打点をマークした。出塁率.370はチームトップ。ただ打つわけではない。選球眼が良く、粘り強く四球で出塁できるのも、丸の大きな強みだ。

 中堅を長年守っていたが、今年は守備の負担を減らすために右翼へコンバートされた。左翼、中堅は熾烈なレギュラー争いが繰り広げられ、丸はポジションが安泰と思われたが、状況が変わってしまった。

 オープン戦では15試合出場で打率.333、2本塁打、5打点と順調な仕上がりに見えた。開幕3戦目の中日戦(東京ドーム)では、同点の8回に清水達也から右中間に今季初アーチの決勝ソロ。「真っすぐが強いピッチャーなので、まずは真っすぐをとらえられるように準備していたところですけど、うまいこといい反応で打てました」とお立ち台で手応えを口にし、「試合前の円陣でも『中田個人軍になっている。読売巨人軍でやっていきましょう』と吉川(副)キャプテンが言ってらっしゃったので。今日はそれを体現できたんじゃないかなと思います」と声を弾ませた。

 だが、その後は快音が止まる。17打席連続無安打と試行錯誤を繰り返し、9日の広島戦(マツダ広島)で今季初のスタメン落ち。16日の中日戦(バンテリン)でようやく今季初のマルチ安打をマークした。

 開幕15試合を終えて打率.154、1本塁打、3打点。広島時代から丸を取材するスポーツ紙記者は、「もともと好不調の波が激しい選手。打ち出すと止まらないが、スランプが長いことは決して珍しくなかった。広島が16年から球団史上初の3連覇を達成したときは、丸が不調でも後ろを打つ鈴木誠也(現カブス)、松山竜平がカバーしていた。今は巨人のチーム状況が悪いので、丸の打撃不振が際立っている部分がある。1シーズントータルで考えれば、きっちり数字を残す選手です」と強調する。

巨人の浮上には必要な選手


 セ・リーグ他球団のスコアラーも、同様の見方を示す。

「不調でもスタメンに入っているだけで怖いですよ。実績がある選手だし、必ず爆発する。スタメン落ちも1試合だけですし、原辰徳監督の信頼は変わらないと思います。梶谷隆幸オコエ瑠偉ブリンソン長野久義と実績のある選手がそろっていますが、丸は別格。スタメンに名前がないほうが違和感を覚える」

 21年も開幕40試合で打率.227、4本塁打、8打点と不調が続き、6月5日に移籍後初めて打撃不振が原因で二軍降格を経験したが同月18日に一軍復帰すると復調し、最終的には118試合出場で打率.265、23本塁打、55打点をマークした。

 シーズンは長い。坂本と共に稼働してもらわなければ困る選手だ。

写真=BBM
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