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カープの田中広輔は死なず!/川口和久WEBコラム

 

カープの戦う姿勢が雨を味方に



 2016年からのカープ3連覇に貢献し、一世を風靡したタナキクマル。

 菊池涼介は攻守で相変わらずの存在感だが、丸佳浩巨人へ移籍した。一番打者として17年には盗塁王にもなった田中広輔は不振が続き、小園海斗にショートの定位置を奪われて、バックアッパーに回った。

 年齢も33歳となり、今年の結果次第では「引退」の二文字もよぎったかもしれない。

 それが今季は小園の打撃不振もあって途中からショートに入り、打率はさほど上がってこないが、下位打線で存在感を示している。

 小園の打撃は非常に積極的だが、なんでも振っていくタイプなので、相手の術中にはまりやすく、スランプが長くなりがちだ。

 小園が少し調子を上げたとしても、一番打者で使うなら田中より小園かもしれないが、今は菊池が一番で頑張り、秋山翔吾が三番で絶好調。下位打線に田中を置いたほうが打線はつながっていくかなと思っていた。と、思ってたら、あの満塁弾だ。

 たかが1本だが、印象が違ってくる。自分には自信、相手には警戒心、味方には信頼の芽にはなったはずだ。これからしっかり、これを根付かせ、鯉の季節を広輔の季節にしてほしい。

 カープについてはもう1つ。

 今年は雨天コールド勝ちが2試合と雨と相性がいい。田中の満塁弾も雨で40分以上中断のあとだった。雨の神様と言えば安易だが、雨の中のコンディションの悪さ、あるいは中断をはさみながらも、カープの選手の集中力が切れなかったということでもある。

 戦力面から下位予想が多かったカープだが、新井貴浩監督の下、戦う姿勢はピカイチだ。
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