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【高校野球】横浜にコールド負けで夏のシード権を逃した桐光学園 劣勢の展開でも見いだした収穫

 

目立った鋭いスイング


春季神奈川県大会。桐光学園高は夏の県大会のシード権をかけた横浜高との3回戦で、7回コールド敗退を喫した


 桐光学園高が神奈川県大会3回戦で横浜高に7回コールド敗退(2対10)を喫した。春の県大会16強以上に与えられる夏のシード権を逃すのは、1998年以来である。

 無念の黒星も、1999年から昨年まで23年連続(中止だった2020年は除く)でシード権を維持してきたことが評価される。激戦区・神奈川において2000年以降、昨夏まで継続してシード権を得たのは桐光学園高と東海大相模高(今夏もシード権を獲得)のみである。

 神奈川の場合、ノーシードで1回戦からのクジを引いた場合、甲子園まで8試合を勝ち上がらないといけない。桐光学園高・野呂雅之監督は「日程の部分で、大きく変わる」と明かす。「経験値」の部分でも、この春は県大会を2試合しか消化することができなかった。横浜高との3回戦は、計5本塁打を浴びた。

「公式戦の中で投手に場数を踏んでほしかったが、それができなかった。(夏に向けては)野手が投手になる可能性もある。投手陣を強化していかないといけない」(野呂監督)

 劣勢の展開の中でも、収穫はあった。冬場に取り組んできた打撃強化に「振る力に、成果を感じている」(野呂監督)と手応えを得た。三番・森駿太(2年)が右越え本塁打を放つなど、鋭いスイングが目立った。敵将の横浜高・村田浩明監督も序盤からの桐光学園高の積極的な打撃に刺激を受け、自チームに発破をかけたほどである。桐光学園高が対戦した横浜高のエース・杉山遙希(3年)は侍ジャパンU-18代表候補のプロ注目左腕である。一流投手のボールを見られたことも財産。杉山のレベルを基準に、今後はさらに高い意識を持って、練習に励んでいくことになる。

 桐光学園高は反省点を次に生かす、学習能力のある集団である。このままでは、終わらない。主将・磯貝一斗(3年)、エース右腕・中平陽翔(3年)の敗退後の悔しそうな表情が印象的だった。約3カ月後に控える夏には、一皮むけた姿を披露するに違いない。

文=岡本朋祐 写真=田中慎一郎
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