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1軍球場にはない大きな魅力が! 野球以外でも楽しめるタマスタ筑後【若鷹ファーム奮戦記VOL.2】

 

チームや選手との距離が抜群に近いファン参加型・体験型イベントをタマスタ筑後で実施しているホークス。GWには若鷹の応援とともに、自分で参加し体験する楽しみ方を見つけに足を運んでみてはいかがだろうか。

胸ワクワクする球場


試合直前に実施される大縄跳び大会。選手との距離も近く参加者の満足度も高い


 プロ野球のファーム球場のイメージといえば、若い選手が泥まみれでプレーが出来れば充分で、観戦環境は二の次だった。しかし、福岡ソフトバンクホークスのファーム本拠地・タマホーム スタジアム筑後(以下、タマスタ筑後)はそんな概念と別世界だ。選手目線で施設の充実度が語られることは多いが、ファンにとってもこれほど胸ワクワクする球場はなかなかお目にかかれない。1軍本拠地のPayPayドームのような大規模な演出などはできないが、逆にタマスタ筑後にしか出せない味がある。

 たとえば試合直前のグラウンドで行われる「大縄跳び大会」。試合当日、球場にやってきて抽選に当たった(もしくは先着)ファンから参加者を募る。大人も子どもも参加可能で老若男女も問わないし、ホークスファンに限らずビジターファンがレプリカユニフォームを着ていても大丈夫だ。そんな数名で大縄跳びをするだけの、何ともシンプルなイベントなのだが、意外とこれが盛り上がるのだ。ファンにすればグラウンドに立つことが出来て、しかも試合直前だからすぐ近くのベンチ前などで選手が素振りをしたりベンチからその様子を見守ったりしているのだから、かなりの満足度を得られるようだ。以前は「大玉転がし」が行われたこともあった。いわゆるファン参加型や体験型で、しかもチームや選手との距離がバツグンに近い。そこに手作り感があり、アットホームな雰囲気もある。

 ソフトバンクホークスの野球事業推進本部 筑後事業推進部部長・井上典之もこのように話す。

「2軍ないしは3軍、4軍を観戦に来られるお客様は以前よりホークスや野球にとても詳しく、球場に足を運ばれれば自分自身の楽しみ方を既にお持ちの方が多いと思います。そのようなファンの方も大切ですし、一方で新しいファンの開拓も必要なことです。特にお子様の場合は野球に連れてきてもらっても、試合の途中で飽きてしまうこともあります。『楽しかった』『また来たい』という思い出になるには、観戦だけでなく自ら参加をして体験できるイベントやワークショップなどの取り組みが大事なのではないかと思っています。イベントなどは2軍戦が多くなりますが、先日の4軍ホーム開幕戦では試合後にホークス選手による野球教室も実施しました」

 タマスタ筑後のイベントは先述したように大人が参加できるものも多い。だから親子で一緒に楽しめるし、さらに1軍の場合は事前に申し込みなどが必要な場合が多いが、試合当日にパッと参加可能なイベントが実施されることがあるのもファーム観戦ならではの魅力だ。また、グラウンドに立てる体験イベントは、ライト層に限らずコアなファン層にも間違いなく喜ばれる。あらゆるファン層をターゲットにしたサービスを今後もさらに深めていく方針だという。

地域貢献の一環


スタジアムDJを務める今季5年目のDJカイラは「ファンの皆さんと一緒に球場を盛り上げられることがうれしくてたまらない」と力を込める。左はハニーズ


 さらに、ファンが参加するのはイベントだけではない。試合前にグラウンドでパフォーマンスをする機会を自ら名乗り出ることもできる。1軍球場の場合は球団側から出演者・団体へオファーをかけるのが一般的だが、タマスタ筑後は公募が行われている。「地域貢献の一環だと考えています。日頃の頑張りをホークスの選手や地域の皆様に見てもらうお披露目の機会になっているのかなと思います」(井上)。

 これには、タマスタ筑後のスタジアムDJを務めるカイラも呼応する。「本当に幅広い方から応募があるようで、近所の幼稚園の子どもたちが太鼓を披露した次の日は、地元老人会のみなさんがフラダンスを踊るという時もありました」。カイラは、いわゆるコロナ以前のタマスタ筑後も知っており「僕の仕事は皆さんに楽しんでもらうための盛り上げ役だと思うんですけど、大縄跳びとかは一緒に参加しちゃって僕自身も楽しんでいるんです。目の前のお客様と一緒に何かをしたり、モノ作りをしたり、それがやっと戻ってきた。この日常がこんなに貴重なのか。久しぶりにそれが出来た日は感動しちゃいました」。イベントや試合前セレモニーなどに参加できなくても、タマスタ筑後は選手動線がファンのすぐ目の前で、サインをもらったり写真を撮ったりできるのも1軍球場にはない大きな魅力だ。

 まもなく迎えるGWの5月2日〜7日はタマスタ筑後でウエスタン・リーグ6連戦(2〜4日が阪神戦、5日〜7日は中日戦)が開催される。この期間にはGW恒例の「お絵かきアピールコンテスト」が行われ、画用紙に似顔絵や応援メッセージを描いて、イニング間にスタンド席からカメラに向かってアピール。入賞した方には後日、描いた選手の直筆サイン入り色紙が贈られる。もちろん大人の方も大歓迎だ。さらにふれあい動物園がやってきて、ケヅメリクガメ(大)、小型フクロウ、ハリスホーク、オウムをはじめとした多くの種類の普段はなかなか見られない珍しい動物たちと間近でふれあうことが出来る。その他キッチンカーの出店、5日のこどもの日は「kids限定ファンサービス」なども行われる。未来のホークスを担う若鷹の応援とともにタマスタ筑後ならではの楽しみ方を見つけに、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。

文&写真=田尻耕太郎
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