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西武の先発陣は黄金期? 侍ジャパン不参加も「メジャーで通用する投手がズラリ」の評価

 

一皮むけたエース・高橋


昨年よりスケールアップした投球を見せている高橋


 世界一に輝いたWBCは、侍ジャパンの投手陣の質の高さを世界に轟かせた。山本由伸(オリックス)、佐々木朗希(ロッテ)、今永昇太(DeNA)、高橋宏斗(中日)、戸郷翔征大勢(巨人)、伊藤大海(日本ハム)とメジャーの強打者を相手に力が通用することを証明した。侍ジャパンの投手陣だけではない。メジャー関係者はこう語る。

「NPBの投手陣はレベルが高い。メジャーのスカウトも注目しています。侍ジャパンの投手以外で評価が高い投手は高橋光成今井達也平良海馬西武3本柱です。直球が150キロ以上を計測し、変化球の質も高い。メジャーでも十分に通用します。同じ右腕でもそれぞれ特徴が違うのが面白い」

 高橋はエースとして一皮むけた。昨年は12勝8敗、防御率2.20と自己最高の成績をマーク。目指す理想は高い。昨年9月に週刊ベースボールのインタビューで、「マックスを上げるのも当然ですけど、どちらかというと平均球速を上げたいですね。欲を言えば平均160キロ。速い分には越したことはないので。理想は高いですが、まだ自分がやりたいことと、自分の能力が一致していない部分ではあります」と語っていた。

 2021、22年と「投手5冠」に輝いた山本由伸のタイトル独占を阻止する最有力候補と言えるだろう。今季は開幕から4試合登板で3勝0敗、防御率0.84。4月22日のオリックス戦(京セラドーム)では5安打2失点で2年半ぶりの完投勝利。9回二死で昨年までのチームメート・森友哉を見逃し三振に取った直球が自己最速157キロを計測と底知れない能力を見せた。

先発転向に成功


先発に転向しても力のあるボールを投じている平良


 平良は昨年34ホールドで最優秀中継ぎ投手を獲得するなど、球界屈指のリリーバーとして活躍してきた。WBCに向けて侍ジャパンの選出が有力視されていたが、今年から先発に転向するためコンディション調整に専念。平良の強みは総合力だろう。最速160キロの直球に、スライダー、カットボール、チェンジアップと変化球の質も高い。クイックの速さにも定評があり、投球の精度が落ちない。今季は3試合登板で2勝0敗、防御率1.89。本来の状態でなくても試合中に修正できる。先発の柱として2ケタ勝利はノルマだ。

7年目で潜在能力が開花


“らしい”ピッチングで打者を封じ込んでいる今井


 プロ7年目で今井も覚醒の時を迎えようとしている。投手としての能力は高橋、平良に引けを取らないが、故障などで潜在能力を出し切れていなかった。さまざまな投球フォームを試すなど試行錯誤していたが、荒れ球も魅力になっている。4月13日のロッテ戦(県営大宮)で8回一死までノーヒットノーランの快投。大記録達成はならなかったが、2安打11奪三振の完封勝利を飾った。28日の楽天戦(ベルーナ)も6回までノーヒットノーランの好投。6奪三振7四球と「らしさ」を見せた快投で無傷の今季3勝目をマーク。防御率1.33と最高のスタートを切った。

 西武は1980年代後半から90年代中盤まで黄金時代を飾ったとき、渡辺久信(現西武GM)、工藤公康(前ソフトバンク監督)、郭泰源の先発3本柱が強さの源だった。スポーツ紙記者は「白星が計算できる3人がいるので3連敗がほとんどなかった。高橋、平良、今井も互いに切磋琢磨して強力3本柱を結成してほしいですね」と期待を込める。

 昨オフに攻守の要だった森がオリックスにFA移籍し、WBCに出場した源田壮亮山川穂高が故障で離脱したが、強力投手陣が崩れなければ優勝争いに絡める。先発は松本航エンス隅田知一郎と力のある投手がそろい、昨年自身初の2ケタ勝利をマークした與座海人が先発ローテーションに入れなかったほどハイレベルだ。高橋、平良、今井の3投手がどれだけ白星を積み重ねられるか。その能力を考えたら、計45勝以上も決した高いハードルではない。

写真=BBM
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