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【高校野球】横浜隼人高の快進撃の一因は“大応援団” 「応援も勝利のための一つ」

 

立候補して応援団長に


横浜隼人高は控え部員が展開する応援も全力である。左から副団長・藤田、団長・明石、副団長・荒井、太鼓担当・山川


 横浜隼人高は昨秋、藤嶺藤沢高との神奈川県大会3回戦で敗退(0対9)した。9月10日。あまりに早い冬の到来である。応援団長を務める明石翔和(3年)は、当時を振り返る。

「自分たちの代は、まとまりがなくて……。目指しているところが違った。部員全員が同じ方向を向いていなかったんです。ウチは部員数が多い中で『全員野球』がモットー。冬のトレーニング期間で一体感を醸成しました」

 明石は中学時代、オセアン横浜ヤングでプレー。1年夏、2年夏の甲子園に出場した横浜高の主将・緒方漣、今春の関東大会出場へとけん引した相洋高の主将・渡邊怜斗捕手とチームメートだった。明石は投手として横浜隼人高に入学したが、故障続き。右肘じん帯を2度痛めた。昨秋は代走要員として背番号21でベンチ入り。ところが、11月の走塁練習中に右膝の半月板を痛め、今春はベンチ外。チームの力になるため、自ら立候補して応援団長となった。

 明石は副団長の藤田拓琉、荒井七海に、太鼓を担当する山川大輝を束ねる。本気でやるからには、どこにも負けない応援を展開する。

 通常授業時は午前7時からの朝練習で約1時間をかけて1、2年生に応援指導を行う。放課後の練習の合間には、確認作業を繰り返してきた。1日練習の際には丸1日を使って、準備することもあった。もちろん、自身のメニューも手を抜かない。応援団4人は、夏のベンチ入りを目指して汗を流している。

「応援も勝利のための一つ。スタンドからゲームのペースをつかんで、ベンチを勢いづける。流れを作るのが、自分たちの役割です」

 今春の県大会は11年ぶりの4強進出で、夏の県大会の第1シードを獲得。横浜隼人高の快進撃の一因は「大応援団」であることは言うまでもない。センバツ出場・慶応高との準決勝(5月5日、横浜スタジアム)は2対7で敗退した。6日は東海大相模高との関東大会出場決定戦。地元・神奈川開催のラスト1枠を手にするため、ハマスタの応援スタンドは最後の一球まで、力の限りの声援を届ける。

文=岡本朋祐 写真=BBM
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