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首都大学リポート

勝ち点なしで土壇場に追い込まれた東海大 2年の柴田疾が低迷する打線に風穴【首都大学リポート】

 

最大の課題は得点力不足


2年生ながら四番を打つ東海大・柴田疾


【5月13日】一部リーグ戦
武蔵大5−4東海大
(武蔵大1勝)

 首都大学リーグ第7週1日目。前週まで2勝7敗、勝ち点なしと下位に沈む東海大。その大きな原因となっているのが、第6週を終えた時点でチーム打率.185と低迷する打線。9試合で得点は17と深刻な得点力不足に陥っていたが、そんな状況のなかで四番に指名されたのが柴田疾(2年・東海大相模高)だ。

 東海大相模高時代は右の大砲としてならし、通算22本塁打をマーク。3年春のセンバツは四番・三塁手で全5試合に先発出場し、打率.333をマークして優勝に貢献している。「甲子園で一番印象に残っている場面は、優勝してみんながマウンドに集まった時のこと。今でもたまに夢で見るくらい鮮明に覚えています」。

 大舞台での経験は今も役に立っているという。「甲子園ではエラーできないプレッシャーがありましたが、その経験のおかげで今はピンチの場面でも落ち着いていてプレーできています」。

 高校3年時にはプロ志望届を出すことも考えたが、「まだ実力が足りていない」と感じたため、「自分を拾ってくれた」と話す東海大で技術を磨く道を選択。高校に続き、タテジマのユニフォームに身を包むこととなった。現在は「大学でも日本一になりたいですし、大学を卒業するときには今度こそプロ志望届を出したいという気持ちでいます」と大きな目標を掲げている。

 ただ、入学直後はチームメートのレベルの高さに驚いたという。さらに、バットが金属から木製に変わったことで苦労もあった。打撃フォームも試行錯誤する中で、今は高校時代のフォームに落ち着いた。

 お手本となっているのが、高校からの先輩である鵜沼魁斗(3年・東海大相模高)だ。「高校時代にバットを柔らかく使う鵜沼さんのフォームに一目惚れして、それからずっとマネをしてきました。バッティングで大切なのはタイミングだと思っているのですが、そのタイミングを取るうえでバットを自由に使えることが良いところだと感じています」。

 さらに、打撃フォームの見直しと同時にウエートトレーニングにも取り組んだ。すると、高校時代に180cmで89kgあった体重は、今では85、86kgに。しっかりとトレーニングをしたことで「余分な脂肪が取れた」と、体重を落として体を絞ることに成功した。

第6週で四番に抜てき


 1年秋にリーグ戦デビューを果たした柴田は、主に代打として5打数2安打をマーク。打点は4を記録し、勝負強さを見せた。今春はあまり出場機会に恵まれなかったが、前週の筑波大との一戦で四番に抜てき。チームの指揮を執る井尻陽久監督は「柴田は長打力がある選手。しっかりとスイングできるようになってきたので四番にしました」とその理由を明かしている。

 7週の武蔵大との1回戦は「四番は慣れているわけではありませんが、前日から準備をして完ぺきな状態に仕上げてきました」と自信を持って臨んでいた。1回裏に二死一塁の場面で打席に立つと右翼へ痛烈なヒット。「自分は逆方向にも打てる選手だと思っていますし、ライトへヒットが出る時は調子が良い証拠」と柴田。

 この打球を右翼手が後ろへ逸らす間に一塁走者が生還し、柴田自身も一気に三塁へ。ベース上で大きなガッツポーズを見せた。「得点がなかなか取れていないなかで四番を任されたので井尻監督の期待に応えたいと思っていました」。同点で迎えた5回裏にはストレートを捉えてレフトへリーグ戦初本塁打。本人は「風のおかげ」と謙そんしたが、井尻監督は「勝ち越しのホームランで価値ある一発だった」と称えた。

 しかし、チームはそのリードを守り切れず4対5で接戦を落とし、痛い黒星を喫してしまった。これで土壇場に追い込まれた東海大。武蔵大との2回戦に敗れて連敗すると最下位が決定し、2部との入れ替え戦に回ることとなる。柴田は「他チームも強いですが技術的には負けていない。何かのきっかけがあれば勝てるはず」と意気込む。名門チームの大ピンチを、何とかそのバットで救いたいところだ。

文=大平明 写真=BBM
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