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【大学野球】努力の成果を発揮した慶大四番・栗林泰三 「一番バットを振って、一番練習する」

 

チームトップの打率.361


慶大の四番・栗林は立大2回戦で3安打3打点[写真は4回裏の逆転2点二塁打]の活躍を見せた


 5月14日は「母の日」。東京六大学野球連盟では「BIG6 HAPPY MOTHER’S DAY」と題して、この日に試合が組まれた立大、慶大、早大、明大の選手がオリジナルリストバンドを着用してプレーした。また、スコアボードの表示もピンク色の特別仕様だった。

 慶大の四番・栗林泰三(4年・桐蔭学園高)は立大2回戦で決勝打を含む3安打3打点の活躍。慶大は6対3で立大に先勝した(1回戦は連盟規定により9回引き分け)。この日の朝、栗林は母に「いつもありがとう」とLINEで、感謝のメッセージを送ったという。

「堀井(哲也)監督からも言われていますが、『恩返し』とは、良い仲間に恵まれて、一生懸命野球をやる姿だ、と。それを体現できて良かったです」

 苦労人である。1年の浪人を経て慶大に入学。「何年かかっても、慶應に行きたい」(栗林)と、2浪も覚悟の上であったという。

立大2回戦[5月14日]は母の日。栗林[左]とリーグ戦初勝利の左腕・荒井駿也[2年・慶應義塾高]は、オリジナルリストバンドを着用してポーズを取った


 3年春にリーグ戦デビューし、今春から右翼のレギュラーに定着。法大との開幕カード3試合では二番を1試合、一番を2試合、慶大戦では五番、七番、六番、五番、東大1回戦の五番を経て同2回戦から四番に定着している。立大1回戦では逆方向に2安打。四番で3試合目となった同2回戦では3本の三塁打を、左右に打ち分けている。この日を終えてチームトップの打率.361、7打点と努力の成果を発揮している。栗林は打順について言う。

「四番? 気にしないですが、気にしなくもない(苦笑)。とにかくつなごう、と。迷いなく、打席に立っている結果だと思います」

 堀井監督は言う。

「(開幕は四番だった)廣瀬を三番にした時点で栗林しかいない。練習に対する姿勢、選手からの信頼感。廣瀬の次は栗林しかいない。一番、バットを振って、一番、練習する」

 好調の要因は何か。

「今までは練習のとき不安が多少あった中で打撃をしていました。練習から不安をなくそう、と。シンプルに考えており、(試合の)打席の中で結果に結びついている」

 堀井監督は常々「今までやってきたことを、グラウンドで出し尽くす」と言う。慶大の活動拠点である日吉グラウンドで流した汗は、ウソをつかない。栗林が神宮で証明した。

文=岡本朋祐 写真=矢野寿明
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