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首都大学リポート

東海大を破り3位以上が確定した明治学院大 八番・捕手で出場の原幸太郎が3安打と大活躍【首都大学リポート】

 

冬場の打ち込みで打力向上


東海大との3回戦で決勝打を放った原幸太郎


【5月20日】一部リーグ戦
明治学院大3−2東海大
(明治学院大2勝1敗)

 首都大学リーグ第8週1日目。ここまで7勝5敗、勝ち点3で3位と好成績を残している明治学院大が今季最終戦となる東海大との3回戦に臨んだ。

 この試合で逆転の決勝打を含む3安打を記録したのが原幸太郎(4年・関東学院高)だ。「リーグ戦で1試合3安打は初めて。チームメートからも『ナイスバッティング』と声を掛けてもらいましたし、チームの勝利に貢献できたのでうれしいです」と話す。

 坂本涼(3年・成田高)がいるため控え捕手に回ることが多い原だが、金井信聡監督は「捕手が一人ではリーグ戦を戦っていくのも厳しいので、ウチは坂本と原の捕手二枚でやっています。まだまだ後ろにボールを逸らすことも多いのですが、バッティングがいいので普段は左打ちの代打として起用しています」と評価する。

 リーグ戦デビューは2部で戦っていた昨年の春。そして、1部に昇格した昨秋は初安打を放ち、初めてマスクもかぶった。ただ、チームは1勝10敗で勝ち点を挙げることができず最下位。「昨年の秋は苦しいシーズンだったので、この冬は全員が一丸となって練習に励んできました」と話す。

 打撃練習ではとにかく振り込んできた。「100球を5分間で打つ練習を5セットや、連ティーで30球、20球、10球と打つことを3セットなど、大学に入ってから経験したことがないくらいに振ってきました。時には豆がつぶれてしまい、血がにじんでいたこともあります」と、その努力がこの春の躍進へとつながった。

 坂本のケガもあり、原に出番が回ってきたのが第7週の桜美林大との1回戦。「1からゲームをつくっていく立場なので責任を感じます」と八番・捕手で初めて先発マスクをかぶって出場。すると、「チャンスをいただいた時に結果が出せて良かった」と5回裏に先制タイムリーを放った。

 この日の東海大との3回戦でも第1打席と第2打席はともにレフトへ流して安打を放った。「この冬の練習で逆方向にも良い打球が飛ぶようになったので、今はコースに逆らわず、アウトコースはレフトへ。真ん中あたりはセンターへ。インコースはライトへ引っ張るように打っています」。

 さらに6回表は1点差に詰め寄ってなおも二死満塁のチャンスで打席に立つと「自分のミス(記録はワイルドピッチ)が失点に絡んでいたので、なんとかランナーを返そうと思っていました」と投手の足元を抜く逆転の2点適時打。「フルカウントからストレートを続けてきたので真っすぐを狙っていて、甘めに来たボールを素直に打ち返すことができました」と、捕手らしく配球を読んだうえでの一打だった。

ライバルと切磋琢磨


 リード面では「ストライクが取れるボールを優先しながら、相手バッターのタイミングが合っているか、合っていないかを見極めて球種を選ぶようにしています」と話しているが、東海大との3回戦では先発投手の片渕暖也(4年・伊豆中央高)とのコンビで5回まで2失点。

「片渕は東海大との1回戦で完封していて、その試合でキャッチャーをしていた坂本から『(東海大の打線は)スライダーに手を出してきた』と聞いていました。ただ、今日は変化球を頭に入れて打席に立っているように感じたので、いつもよりもストレートの割合を増やし、押せるところは押していく気持ちを持ってストライクゾーンで勝負しました」

 このように同じポジションを争う坂本とは、ライバルではありながらも「お互いにコミュニケーションをとって情報交換しています」と協力しあい、切磋琢磨しているようだ。

 こうした原の攻守にわたる活躍もあり、東海大を3対2で下し、勝ち点4に到達。金井監督は「今季はサヨナラ勝ちが3試合あり、逆転勝ちも多かった。課題はいっぱいありますが、最後まで粘り切って勝てる集団になってきました」とチームの成長に手応えを感じている。原に対しては「4年生で秋は最後のシーズンになるので頑張ってほしい」とエールをおくった。

 原自身も「秋も坂本と2人で、守備の要として頑張っていきたい」と話している。そして、「勝ち点4はうれしいですが優勝には届きませんでした。このところ2季連続で日本体育大が優勝しているので、その王者を破って『強い明学』を見せられるようにもっとレベルアップしていきたいです」と続けた。

 昨春は2部で優勝し、秋は1部で戦って6位。今春は3位以上が確定し、筑波大の結果次第では2位となる明治学院大。着実にステップアップしており、目指すは1974年春以来となるリーグ優勝だ。

文=大平明 写真=BBM
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