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一軍で4試合出場のみも…他球団が「秋広優人と並ぶ逸材」と評する巨人の和製大砲は

 

ファームでは格の違い


今季、慶大からドラフト2位で巨人に入団した萩尾


 落ち込んでいる暇はない。ファームで一軍再昇格に向け、攻守でアピールを続けているのが巨人のドラフト2位・萩尾匡也だ。

 ファームでは格の違いを見せている。45試合出場で打率.367、4本塁打、24打点をマーク。5月は月間打率.473と打ちまくり、ファーム月間MVP賞を獲得した。首脳陣の期待は大きい。5月28日に一軍初昇格すると、同日の阪神戦(甲子園)に「七番・中堅」で即スタメン出場。8回に才木浩人からプロ初安打となる左前打を放った。30日のロッテ戦(ZOZOマリン)では一番に抜擢されたが、順調にステップアップできるほど甘い世界ではない。「一軍の洗礼」を浴びた。

 相手右腕・西野勇士との対決で、初回の1打席目は外角低めのボールゾーンに逃げるスライダーに空振り三振を喫すると、2打席目は1点を先制された直後の3回一死一、三塁の好機で初球の内角高めのシュートに反応したが、マリンの風に押し戻されて浅い右飛に。同点に追いつきたい場面で犠飛を打てなかった。3打席目は2点差を追いかける6回。先頭打者でカウント3ボール1ストライクから外角低めの直球を見逃すと、外角のスライダーで空振り三振と結果を残せなかった。その後は途中出場2試合で、6月4日に登録抹消。4試合出場で7打数1安打、打率.143で4三振と一軍で待ち受けた現実は厳しかった。

「理想形は鈴木誠也」


 スポーツ紙記者は、「マリンは打席から見た球の軌道が、ほかの球場と違うと言われているので、いきなり結果を出すのは難しかったかもしれませんが、萩尾は結果を出さなければいけないので言い訳はできない。この経験を糧にファームから再びはい上がってほしいですね」と期待を込める。

 他球団のスコアラーはどう分析するだろうか。

「一軍と二軍では投手の直球のキレ、変化球の曲がり幅や配球術も変わってくるので簡単には結果を出せない。ただ、打者としての素質は間違いなくいいモノを持っている。遠くへ飛ばせるけど、打撃に柔らかさもあるので率が残せるタイプ。構えとかスイングの軌道を見ていると、理想形は鈴木誠也(カブス)ですかね。秋広優人と左右の強打者でクリーンアップを担う逸材だと思います」

慶大では三冠王にも


5月28日の阪神戦ではプロ初安打をマークしている


 熊本・文徳高で高校通算46本塁打を記録したが、甲子園には縁がなかった。2年生で四番を務めた2017年夏の県大会では準決勝・九州学院に8対10で敗退。「三番・捕手」でチームを牽引していたのが1学年上の村上宗隆(ヤクルト)だった。慶大に進学後は3年春からスタメンに名を連ね、春秋のリーグ戦連覇に貢献。4年春に5本塁打を放つと、秋に打率400、4本塁打、17打点をマークし、戦後16人目となる三冠王に輝いた。

 攻走守3拍子そろったプレースタイルで、プロで掲げる目標はトリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)。巨人からドラフト2位で指名されて会見を行った際は、「同じ右打者の岡本和真さん、坂本勇人さんはすごく参考になる話があると思うので、そういう方々とお話をしたいと思っています。一番のセールスポイントはバッティングだと思っています。どれだけプロの世界で通用するかを試して知って、自分の課題を見つけていきたいです」と抱負を語っている。

 甘いマスクで女性人気が高いが、プレースタイルは泥臭い。巨人でレギュラーをつかむのは険しい道だが、高卒3年目の秋広はクリーンアップに定着し、同期入団のドラフト4位・門脇誠も5月は三塁のスタメンで出場し続けるなど、存在感を示している。萩尾も負けられない。

写真=BBM
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