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昨年ブレークも今季一軍出場なし…巨人の若手成長株に「打撃センスは天才的」の評価が

 

奮起が期待される若手


昨季は一軍で69試合に出場した増田だが、今季は二軍暮らしが続く


 逆転優勝を狙う巨人にアクシデントが起きた。坂本勇人が6月23日の広島戦(マツダ広島)で初回の走塁の際、右太もも裏を痛めて負傷交代。翌24日に登録抹消された。さらに、中田翔も25日の同戦で4回の守備から途中交代。5月に右太もも裏の肉離れで戦線離脱しており、3週間も経たずに一軍で実戦復帰したが、患部は万全の状態とは言えない。主力選手に故障が相次ぐ中、奮起が期待されるのが若手選手たちだ。

 今年は高卒3年目の秋広優人が4月中旬から一軍に定着。身長2メートルの長身から鋭いスイングで飛距離はチームトップクラスで、ミート能力も高い。追い込まれても変化球を拾ってヒットゾーンに飛ばす場面が目立ち、5月下旬以降は三番に座っている。50試合出場で打率.318、4本塁打、19打点。得点圏打率.343と勝負強さも光る。走塁や守備でまだまだ覚えることがあるが、その働きぶりは十分に合格点をつけられる。

 遊撃は坂本の後継者として期待される中山礼都、大卒ルーキーの門脇誠がアピールの絶好のチャンスだ。出場機会でいかにチームに貢献できるか。両選手の野球センスは誰もが認めるだけに、今後の活躍が楽しみだ。そして、本来なら一軍でレギュラーをつかむ位置にいなければいけない若武者がファームで汗を流している。昨季ブレークした増田陸だ。

 高卒のプロ3年間で一軍出場なしに終わり、育成契約となった昨年にはい上がった。春季キャンプは三軍スタートだったが、実戦でアピールし、2月中旬に一軍昇格。3月11日に再び支配下昇格した。5月5日にプロ入り初の一軍昇格を果たすと、途中出場で結果を出し続け、中田翔、中島宏之を押しのける形で一塁のスタメン起用されるように。6月3日のロッテ戦(東京ドーム)で佐々木朗希から初回に放った先制の右中間適時二塁打は強烈だった。

強いハングリー精神


 闘志を前面に出す増田のスタイルは巨人で異色だ。死球で出塁した際も「よっしゃ!」と雄叫びを上げ、結果を残せずに途中交代した際はベンチで涙を浮かべたことも。相手バッテリーが研究してきた夏場以降は成績を落としたが、69試合出場で打率.250、5本塁打、16打点。得点圏打率.300と勝負強さを発揮した。

 スポーツ紙記者は、「打撃でタイミングの取り方に関して増田陸は天才的と首脳陣の評価が高い。育成枠を経験し、この世界で活躍したいというハングリー精神は誰よりも強い。リーダーシップがある選手なので次世代の巨人を背負って立つ選手だと思います」と期待を込める。

二軍で打撃の状態が上昇中


 さらなる飛躍が期待された今年だったが、打撃で本来の状態に程遠く開幕からファーム暮らしが続いている。秋広が一軍で活躍をしている姿を見て、刺激を受けると同時に悔しい思いは当然あるだろう。

 光は見えてきている。打率2割前後だったが、途中出場した今月16日のイースタン・DeNA戦(ジャイアンツ)で3ランを放つなど2安打4打点と存在をアピール。24日のイースタン・西武戦(ベルーナ)では、3回に今井達也のスライダーを左翼後方に運ぶ先制の4号ソロを放った。

 打撃の状態を上げていけば、今後に一軍昇格の可能性が十分にある。同学年の戸郷翔征はエースとなり、横川凱田中千晴松井颯、門脇も一軍の戦力として活躍している。増田陸も負けられない。

写真=BBM
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