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都市対抗2023

【都市対抗2023】32チーム中、最長ブランク12年ぶり出場の東海理化 勝利のカギ握るエースと新人捕手のバッテリー

 

「少ないチャンスをモノにする」


就任2年目の東海理化・山根監督[写真=矢野寿明]


 第94回都市対抗野球大会は7月14日から25日まで東京ドームで熱戦が展開される。開幕まで注目チーム、選手を紹介していく。

 東海理化(豊川市)は都市対抗野球出場全32チームのなかで、もっとも長いブランクとなる12年ぶりの出場である。指揮官となって2年目の山根直輝監督(上武大)は「就任当初から都市対抗に出るためにやってきたので、1つの目標が叶いました」と喜びを話した。

 昨年は東海地区二次予選で、ラスト1枠である第6代表決定戦に臨んだものの、東邦ガスに2対7で敗れ、あと一歩で本大会に届かず。しかし、今季は同じ第6代表決定戦で日本製鉄東海REXとの大一番を4対1で制し、最後の出場枠に滑り込んだ。

「昨シーズンは5年ぶりに進んだ代表決定戦で敗れ、本当に悔しい思いをしたのですが、昨年から今年にかけて選手たちは一戦一戦、戦うごとに成長してくれました。今季の東海地区予選では第3代表決定戦で三菱自動車岡崎(岡崎市)に(0対1)、第5代表決定戦は西濃運輸(大垣市)に(2対3)1点差で負けたのですが、その経験と悔しさが最後の第6代表決定戦で報われました」

 今季のチームにはついて山根監督は「バッテリーを中心に最少失点に抑え、少ないチャンスをモノにするチーム」と評しているが、勝利へのカギを握るのがエースの池田大将(拓大)とルーキー捕手・池間大智(九産大)だ。

 池田は二次予選の全7試合中5試合に先発。日本製鉄東海REX戦では4安打1失点で完投勝利を収めるなど、大黒柱として活躍。池間はルーキーながら第3代表決定トーナメントからスタメンに定着すると、以降の5試合で7失点と投手陣をしっかりとリードし勝利へとつなげていった。

 山根監督は「池田は野球に取り組む姿勢が素晴らしく、『抑えてやる』という気持ちも強いピッチャー。昨年の悔しい思いをマウンド上の姿で表してくれました。池間は新人なんですが考えながら配球ができ、テンポも良い」と大きな期待をかけている。

 敗戦をバネにして東京ドームへの道を切り開いた東海理化。今大会で6回目の出場となる都市対抗だが、これまではすべて初戦敗退。それだけに「まずは1勝して東海理化の歴史を変えたい」との言葉にも力が入る山根監督。

 決意も新たに「激戦区の東海地区を勝ち抜いたことに自信を持って本戦に臨みたい」と語っている。59年に創部し、09年からは3年連続で出場するもつかむことができなかった白星。悲願の初勝利をかける1回戦は大会5日目(7月18日)の第2試合(14時)、南関東地区第2代表・日本製鉄かずさマジック(君津市)と対戦する。

文=大平明
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