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都市対抗2023

【都市対抗2023】爪痕を残すことを誓う西部ガス・香田誉士史監督 「日本一になる」意気込みで臨む

 

2年ぶりの本大会出場へ


東京ドームでの躍進を誓う西部ガス・香田監督[写真=矢野寿明]


 第94回都市対抗野球大会は7月14日から25日まで東京ドームで熱戦が展開される。開幕まで注目チーム、選手を紹介していく。

 香田誉士史監督(駒大)が率いた駒大苫小牧高が、夏の甲子園で北海道勢初制覇へ導いたのは2004年である。05年には夏連覇、06年には準優勝と高校野球界をリードした。

 社会人野球に戦いの舞台を移した香田監督が2年ぶりに都市対抗野球大会の本大会へ戻ってきた。西部ガス(福岡市)の監督に就任したのは17年秋。20年に創部9年目で悲願の都市対抗初勝利を挙げると2回戦も勝ち上がり、ベスト8へ進出した。

 昨年は本大会出場を逃したものの、社会人日本選手権には出場し「全国大会には出場しているので、その部分では自信がありますし、誇りも持っています。あとは『どうしたら勝ち上がれるのか』が課題になっていますが、結果を出すだけです」と香田監督は語る。

 今季は5月のJABA九州大会で優勝。予選リーグでは昨年の都市対抗覇者・ENEOSをタイブレークの延長10回、6対5のサヨナラで下し、決勝では強豪・Honda(寄居町・小川町)を7対0の7回コールドで退け、社会人日本選手権の出場権を獲得している。

「今年は投手を中心に取れるアウトをきっちりと取り、少ないチャンスを生かして勝ちにつなげてきました。そして、ベンチも含め、団結心があり結束力が高いチームなので苦しい場面でも粘れるようになってきています」

 九州地区二次予選では第2代表決定トーナメントに回ったが、チームの強みである投手陣が奮投。沖縄電力と宮崎梅田学園を相手に2戦連続で完封勝利を挙げ、東京ドームへの切符を手に入れた。指揮官が今大会で期待している選手として名前を挙げたのは投手陣で「田中和正(久留米大)、高椋俊平(九州国際大)、村田健(東農大)が3本柱。予選では緊張感があるなか、よく投げてくれました。本戦でも彼らが自分の持っている実力をどれだけ出してくれるかで試合の中盤までの流れが決まってくると思います」と話しており、チームの上位進出には欠かせない戦力となる。

「チャレンジャー精神でいきたい」


 1回戦では明治安田生命(東京都)と対戦する。「一度も戦ったことがないチームですが、試合を見た印象ではよく打つバッターがそろっていて、ビシッと抑えるピッチャーもいるバランスの良いチーム。東京地区の第1代表でレベルは半端なく高いでしょうからチャレンジャー精神でいきたい」と香田監督。

 さらに「都市対抗は関東のチームが中心になっているイメージがありますし、我々は福岡の田舎から出ていく地方のチームですが、一矢報いて爪痕を残したいと思っています。そして、当然、『日本一になりたい。日本一になるんだ』という意気込みを持って大会へ準備していきたいです」と語った。

 かつて北の大地を沸かせた香田監督が、九州から社会人の頂点を目指して戦いに挑む。西部ガスの注目の1回戦は大会3日目(7月16日)の第2試合(14時)に組まれている。

文=大平明
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