今年4月から北海道ガス監督に
北海道ガス・工藤監督は今年4月に就任した[写真=BBM]
第94回都市対抗野球大会は7月14日から25日まで東京ドームで熱戦が展開される。開幕まで注目チーム、選手を紹介していく。
北海道ガスは3年連続3回目の都市対抗出場。昨年は1回戦で名門・東芝を撃破し、悲願の大会初勝利を飾っている。
今年4月から北海道ガスを率いるのは、工藤賢二監督だ。
工藤監督は葛生高(栃木)を経て、駒大時代には、全日本大学選手権優勝。卒業後に入社した東芝では1999年、三菱自動車川崎の補強選手として出場した2000年、東芝のコーチだった10年の都市対抗優勝を経験している。14から17年までは、東芝の監督も務めた。
現役時代は3度の社会人ベストナイン、19年には日本野球連盟が制定した平成ベストナインの二塁手部門を受賞している。
北海道ガスからオファーがあったのは昨年末だった。
「北海道の野球界に微力ながら貢献できれば、と。機会を与えていただいたことに感謝しています」
対話とコミュニケーションを重ね、就任から3カ月で東京ドームへと導いた。6月16日の組み合わせ抽選会では、冷や汗をかいた。
「最後まで(前年覇者・ENEOSと対戦する)2番と(古巣・東芝と対戦する)、32番が空いていたので、ドキドキしました。東芝とは昨年もやらせていただいているので……あまり、ちょっと……(苦笑)」
北海道ガスは26番を引き、王子と1回戦(7月19日、10時)で顔を合わせることが決まった。
「私にとってはひさびさの都市対抗です。試合では、練習で取り組んできたことしか出ないので、対戦相手をしっかり研究し、自分たちのできることをやってきたいです」
投手陣はエース・大城祐樹(桐蔭横浜大)、打線は
寺田和史(東北福祉大)と浅賀雅人(横浜商大)が軸となる。
「2022年から戦力は大きく変わっていないので、個々がレベルアップすれば、チーム力も上がる。すべての選手に期待をしています」
東芝と北海道ガス。同じ監督としてチームを率いる立場だが、心境はまったく違う。東芝は勝利を宿命づけられた名門である一方、北海道ガスは2018年創部の新興チームである。
「完全なチャレンジャーでいきますので、先を見るよりも、一つひとつ積み上げていかないといけない。神奈川(西関東)の代表は、どこも(決勝までの)5試合をどう想定していくかですが、私たちは目の前の一戦をどうするか、ですから。思い切っていきたいです」
北海道勢の躍進に、注目が集まる。
文=岡本朋祐