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都市対抗2023

【都市対抗2023】来場者にも歓迎され新ルールとして定着しそうな「ピッチクロック」

 

都市対抗予選も約16分短縮


秒数が表示される「クロックボード」は捕手の後方に設置された。都市対抗本戦では、投手だけでなく、打者も見えるように、計4台となる見通しだ[写真=BBM]


 第94回都市対抗野球大会は7月14日から25日まで東京ドームで熱戦が展開される。開幕を前に、気になるトピックを紹介していく。

 社会人野球は原則、一発勝負のトーナメント。「1球」で試合の流れが変わる可能性があるため、バッテリーは「1球」には細心の注意を払う。すなわち、長時間試合も、ある意味で、仕方ない部分であった。一方で、スピードアップは避けられない現実だった。

 社会人野球ではスピードアップと試合時間の短縮を目的に、今季から「ピッチクロック」を導入した。投手の投球間に時間制限を設けるルールである。MLBでは今季から採用されおり、NPBでも今後の導入へ向けた検討が進められている。

 社会人では無走者の場合、投手は12秒(MLBは15秒)で投球動作に入ることが必要で、有走者の場合は20秒以内に設定。時間を超過した場合はボールが宣告される(無走者の場合はただちにボールが宣告。有走者の場合、1回目は警告、2回目からボール)。

 早くも成果が出た。春先のJABA主要大会の平均時間は昨年よりも約16分短縮(2時間47分→2時間31分)された。また、都市対抗予選も約16分短縮(2時間49分→2時間33分)という結果が出た。一投一打でゲームの流れが決まる、スリリングな展開が続く都市対抗予選でも、現場の理解が得られたのだ。

都市対抗二次予選でも「ピッチクロック」が実施。1球1球、審判員が操作していた[写真=BBM]


 ただ、課題も残った。秒数が表示される「クロックボード」は捕手の後方に設置された。打者の目には触れず、投手優位と見られてもおかしくない状況となった。東京ドームでの都市対抗本戦では、公平性を保つため、投手だけでなく、打者も見えるように「クロックボード」は計4台が設置されるという。

 都市対抗は1回戦の2日目から準々決勝まで、1日3試合が行われる。開始時間は10時、14時、18時に設定。1試合は2時間30分を想定しており、応援団の入れ替えは1時間30分あれば十分とされている。全国各地から応援団が動員される都市対抗において、定刻スタートは重要。「ピッチクロック」は来場者にも歓迎される、新ルールとして定着しそうだ。

文=岡本朋祐
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