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【高校野球】法政二9年ぶりの4回戦進出もシード校を前に厳しい現実 「古豪復活」へは地道な取り組みしかない

 

バッテリーエラー絡みで大量失点


法政二高は第3シード・市ケ尾高との神奈川大会4回戦で敗退[6対7]した


 夏9回の甲子園出場を誇る古豪・法政二高は、市ケ尾高との神奈川大会4回戦で敗退(6対7)した。

 1対1の5回裏に6失点。法政二高はここから粘り、7回表に5得点を挙げて1点差にまで迫るも、力及ばなかった。1回戦から3試合連続コールド勝ちで、9年ぶりの4回戦進出も、第3シード校を前に厳しい現実と向き合った。絹田史郎監督は反省点を語った。

「5回裏の大量失点は四死球、バッテリーエラー絡み。やるべきことを、いかにしっかり徹底できるか。あらためてそのことを知る一戦となりました」

 挟殺プレーでは慌てるシーンが見られるなど、細部までの精度アップが必要。かつて同校を率いた田丸仁元監督が「ドジャースの戦法」を基礎とした野球で、1960年夏と61年春の甲子園連覇。もう一度、法政二高の原点である、攻守にスキのないスタイルを追求する必要性を感じたはずだ。

 主将で四番・捕手の三木翔大郎(3年)は昨夏からのレギュラー。「いつも気にかけてくれた絹田監督には感謝しかありません」と、涙を流した。そして、こう続けた。

「人間はどうしても時間が経過すると、記憶も薄れる。後輩たちには、この夏の悔しさを忘れずに練習してほしい。自分も次のステージへの糧にしたいと思います」

 三木は楽天二軍監督の肇氏を父に持ち、卒業後は「大学進学します。まだ力不足。捕手で勝負したいですが、持ち味の打撃を生かし、レベルアップしていきたい」と抱負を語った。

 絹田監督は言う。

「9年ぶりに3回戦を勝ち上がって、4回戦に進出したという意味では、今後につながる。もちろん、(甲子園出場を目指している中では)結果としては十分ではありませんが、私たちは一歩ずつ進んでいくしかありません」

 法政二高の甲子園出場は1988年夏が最後。絹田監督は「まずはシード権(春の県大会16強以上)を取ること」と、今後の展望を語った。全国屈指の激戦区・神奈川において、目の前の課題を一つひとつ克服し、地道に取り組むしか「古豪復活」への道はない。

文=岡本朋祐 写真=BBM
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