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前半戦採点簿【パ・リーグ編】 新監督のロッテ、西武に明暗 ソフトバンクが厳しい採点に

 

満点に近い1位・オリックス


前半戦最後のソフトバンク戦で8勝目をマークしたオリックス・山下


1位・オリックス 95点
※49勝32敗2分

 リーグ3連覇を目指し、相手球団のマークが厳しくなる中で前半戦を首位ターン。投打共に戦力が充実しており、頂点に立つ可能性が一番高い。オリックスの強みは大型連敗をしないことだろう。山本由伸宮城大弥のダブルエースに加えて、山下舜平大が8勝2敗、防御率1.49と覚醒。山崎福也山岡泰輔も控えており、先発ローテーションの安定感は際立っている。吉田正尚(レッドソックス)が退団して得点力低下が懸念された打線も、昨オフにFAで西武から加入した森友哉が奮闘。森が故障で戦線離脱すると、育成枠から支配下昇格したセデーニョが本塁打を量産している。後半戦は一気に突っ走るか。

2位・ロッテ 90点
※42勝32敗4分

 前年の5位から巻き返しを狙うロッテは吉井理人監督が就任。1点差ゲームが19勝11敗という数字が現しているように、しぶとい戦いぶりで白星を積み重ねている。吉井監督の用兵術も光る。近年は出場機会を減らしていた田村龍弘がレギュラー格として奮闘。日本ハムから移籍した西村天裕は防御率0.90とセットアッパーで抜群の安定感を誇り、巨人からシーズン途中で加入した石川慎吾も途中出場で結果を残すと、クリーンアップで活躍している。徹底した競争主義でチーム全体のモチベーションが高い。後半戦は令和の怪物・佐々木朗希が投手タイトルを狙えるような活躍を見せて、オリックスに食らいつきたい。

3位・ソフトバンク 60点
※43勝37敗2分

 貯金6という数字を見れば採点が辛口に感じるかもしれないが、投打で充実した戦力を考えると満足できる前半戦とは言えない。昨年は最終戦でオリックスに逆転優勝を許し、オフに近藤健介ロベルト・オスナ有原航平ジョー・ガンケル嶺井博希らを獲得する大型補強を敢行。だが、絶対的エースがいない状況で投打の歯車が狂うと脆さを露呈している。7月7日の楽天戦(楽天モバイル)から27年ぶりの9連敗。長距離砲として期待が大きい砂川リチャードら若手の野手たちが伸び悩んでいるのも気がかりだ。3年ぶりの覇権奪回へ、藤本博史監督がチームをどう立て直すか。

7月5日以降は10勝1敗の楽天


8連勝を果たすなど前半戦最後に勢いが増した楽天


4位・楽天 50点    
※39勝43敗1分

 石井一久監督就任3年目の春先は低空飛行が続き、一時は借金が今季ワーストの13までふくらみ最下位に低迷。だが、7月5日のオリックス戦(楽天モバイル)以降は10勝1敗と息を吹き返し、借金完済が見えてきた。四番・浅村栄斗の状態が上がり、小郷裕哉村林一輝伊藤裕季也の活躍が目立つ。投手陣も内星龍渡辺翔太らイキのいい若手がセットアッパーで頭角を現している。さらに勢いに乗るためには実績十分の田中将大則本昂大岸孝之の活躍がカギを握る。下降線に入ると歯止めが利かず、優勝争いに絡めないシーズンが続いている。前半戦最後の勢いそのままに、上昇気流に乗れるか。

5位・西武 45点
※35勝47敗1分

 低迷の要因は深刻な貧打に尽きるだろう。235得点はリーグワースト。山川穂高を欠いた打線は渡部健人が新四番で奮闘していたが、左足内転筋の筋損傷で7月2日に戦線離脱した。リーグ2位の18盗塁をマークする外崎修汰を中心に機動力でスピード感あふれる野球を志向するが、まだまだ発展途上の選手が多い。投手陣はリーグ屈指の陣容だが、前半戦にファーム降格を味わった今井達也松本航は本来の力を出し切っていない。特に今井は高橋光成平良海馬と共に球界を代表する投手になる可能性を秘めた右腕だけに、後半戦は巻き返しに期待したい。

6位・日本ハム
※35勝50敗 45点

 7月5日のソフトバンク戦(PayPayドーム)から6年ぶりの10連敗。前半戦を終えて借金15で最下位に低迷しているため採点は45点だが、就任2年目の新庄剛志監督の下でチームは確実に成長している。ソフトバンクにFA移籍した近藤健介の人的補償で加入した田中正義が守護神で素質開花。「逆輸入ルーキー」の加藤豪将中日から移籍したアリエル・マルティネス、オリックスからFA移籍した伏見寅威阪神からトレード移籍した江越大賀ら新戦力が輝きを放っている。本塁打王争いを繰り広げる万波中正ら若手も力をつけている。投打がかみ合えば大型連勝で波に乗る可能性があり、後半戦は台風の目になれるか。

写真=BBM
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