週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

破竹の10連勝は5年ぶりVへのフラグ 今年の夏は“真っ赤”に燃える広島

 

戦いを重ねるごとに、チームは着実に強くなっている。前半戦終盤からの勢いは後半戦に入っても続き、連勝は「10」にまで伸びた。前評判を覆し、繰り広げる首位争い。広島が、セ界の主役に躍り出ようとしている。

上がっている集中力


7月28〜30日の阪神戦[甲子園]は1分け2敗と負け越すも、連日、先制されても食らいつき“あと一歩”に迫った


 開幕当初と比べ、本拠地・マツダ広島のボルテージは確実に上がっている。それは夏の暑さが増しているからだけではない。広島が見せる戦いが今、どこよりも熱いのだ。

 始まりは7月12日、東京ドームの巨人戦からだった。次カードのDeNA3連戦(15〜17日、横浜)まで5連勝。首位・阪神にゲーム差「1」の2位で前半戦を折り返した。前半戦を終えて新井貴浩監督が語ったのは、選手たちの成長とチームとしての成長。「ここいくぞ、というときの集中力の上がり方というのは、開幕のときに比べて上がっていると思う」。オールスターを挟んでの後半戦も早速、その集中力が発揮された。

 中日2連戦(22、23日)、ヤクルト3連戦(25〜27日)と、マツダ広島を赤く染め上げたファンにも後押しされた結果、4年ぶりの10連勝。27日の試合で阪神が敗れたため、4月17日以来となる首位に躍り出た。

 一気に首位まで駆け上がった強さは、本物と言っていいだろう。10連勝中、逆転勝ちが6試合。取られても取り返し、最後まであきらめることなく、チームみんなで戦っている。もちろん、その中心には新井監督。選手たちの頑張りを自分のことのように喜ぶ指揮官の姿に、チームの士気はますます高まっていく。

 ただ、ここまでセ・リーグを席巻してきた阪神も、このまま引き下がるわけにはいかない。28日からの直接対決(甲子園)では初戦、第3戦と阪神が勝利。第2戦は4時間56分の死闘の末に引き分けとなった。1分け2敗と負け越した広島は1日にして首位陥落、再びゲーム差「1」とされるも、両者の戦いが今後、ますます熾烈を極めるのは間違いない。

 というのも、ここまで広島の阪神戦の対戦成績は15試合を消化して5勝9敗1分け。セ・リーグ球団の中で唯一、負け越しを喫している。この差を少しでも埋めていかなければ、5年ぶりのリーグ優勝への道は険しいものとなる。直接対決は残り10試合。そのうち、マツダ広島での試合が7試合あるのは、チームにとってプラスと言えるだろう。ここまでマツダ広島での阪神戦は3勝3敗だが、ファンの熱気も高まる中で、指揮官がかねてより言葉にする「ワクワク」「ドキドキ」の戦いを届ける。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング