週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

規定打席未到達も…日本ハム・清宮幸太郎が高打率で「首位打者争いのダークホース」に

 

混戦模様の首位打者争い


打撃の安定感が高まった清宮


 パ・リーグの首位打者争いが混戦模様だ。今季ブレークした頓宮裕真(オリックス)がリーグトップの打率.321をマーク。2位・柳田悠岐(ソフトバンク)が打率.311で続く。規定打席に到達している選手で3割以上は2人のみ。史上初の打率が2割台で首位打者が決まる可能性も出てきた。

 その中で、規定打席に到達してないが、確実性を高めている「首位打者候補」がいる。清宮幸太郎だ。今季は54試合出場で打率.294、7本塁打、25打点をマーク。4月下旬に左脇腹肉離れで離脱し、6月上旬に一軍復帰するまで1カ月半以上かかったため、規定打席に足りていないが、このままシーズン最後まで試合に出続ければギリギリ届く可能性がある。

「今季の清宮は好不調の波が少ない。変化球に崩されず、コンタクト能力が上がったことで追い込まれてもヒットゾーンに飛ばしている。昨年までの粗さがなくなり、ワンランク上がった感じがします」(スポーツ紙記者)

自らの立ち位置を自覚して


 2021年は一軍出場なしに終わったが、新庄剛志監督が就任した昨年は129試合出場で打率.219、18本塁打、55打点をマーク。いずれも自己最高の数字で本塁打、打点はチームトップだった。ただ、レギュラーの座を確約されたわけではない。長打力は大きな魅力だが、確実性が大きな課題だった。月間打率を見ても3、4月は.180、8月は.127とスランプに入ると長い。対左投手にも91打数18安打で打率.198、4本塁打と苦手にしていた。

 プロ6年目を迎え、若手と期待だけで起用してもらう時期は過ぎた。清宮も自身の立ち位置を自覚している。長年主力としてチームを支えてきた近藤健介が昨オフにソフトバンクへ移籍した。清宮は「もし(近藤が)抜けても『僕がいる』というところを見せたい。やっぱマンチュウ(万波中正)とかジェイ(野村佑希)とかと一緒に僕がファイターズを背負っていかなくてはいけないと思っているので。あと何年かは、ファイターズは大丈夫だと言ってもらえるように活躍します」と宣言。「新球場1年目で優勝っていうのが誰もが望んでいること。何よりボスが思い描いていることなので、本当に僕が胴上げさせるという信念だけで来年戦っていきたい」とも、契約更改後に語っていた。

苦手の左投手も克服


 今季は春先から2割8分台をキープ。故障から復帰した6月14日のDeNA戦(横浜)以降もコンスタントに安打を打ち続けている。7月23日のオリックス戦(ほっと神戸)から10試合連続安打をマーク。今月4日のソフトバンク戦(エスコンF)は無安打に終わったが、翌5日は初回に7号右越えソロ、4回に中前適時打を放つなど2安打2打点と活躍した。

 数字にも成長の跡が見える。対左投手は53打数18安打で打率.340と昨季から大幅にアップ。得点圏打率.306も昨年の.225から大幅に上がっている。ボール球を振らずに見極め、ストライクゾーンの球をきっちりはじき返す。出塁率.373は規定打席に到達していないが、チームトップの数字だ。

 本塁打数のペースは昨季より落ちているが、今の打撃を続けていれば自然と量産体制に入るだろう。清宮がシーズン終盤までタイトル争いに絡む活躍を見せれば、チームの得点力もおのずと上がる。日本ハムは7月上旬に39年ぶりの13連敗を喫したのが響いて最下位に低迷しているが、清宮やリーグ2位の16本塁打をマークしている万波を筆頭に楽しみな若手が多い。同世代の村上宗隆(ヤクルト)に負けられない。清宮が先頭に立ってチームを引っ張る。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング